戦後を代表する二枚目スター、池部良の出演作33本を一挙上映!
「永遠の青年」と称される甘いマスクとニヒルな雰囲気で、戦後を代表するスターとして活躍した俳優・池部良の代表作33本が、5月から7月にかけて一挙に公開される。
1941年『闘魚』で映画デビュー。その後、軍隊に召集されるが戦後に俳優復帰し、30代にして高校生をさわやかに演じ、大ヒットを記録した今井正監督作『青い山脈』(1949)のほか、夏目漱石原作『坊っちゃん』(1953)、川端康成原作『雪国』(1957)、志賀直哉原作『暗夜行路』(1959)といった文芸作品や小津安二郎監督作『早春』(1956)などで、クラシックな二枚目スターとして人気を博した。
1964年には篠田正浩監督が石原慎太郎の同名小説を映画化した『乾いた花』で虚無感漂うヤクザ役に挑み、知的なイメージを一新する新境地を開拓。その後、高倉健と長きにわたってコンビを組み、寡黙(かもく)でおとこ気あふれるヤクザを演じた『昭和残侠伝』シリーズ(1965~1972)も大ヒット。1995年には毎日新聞で連載されたエッセイ集「そよ風ときにはつむじ風」を刊行するなど、文筆家としても才能を発揮した。ラピュタ阿佐ヶ谷では、そんな古き良き日本映画の時代に活躍した大スター、池部良の出演作33本を上映する特集上映「風のように 映画俳優・池部良」を実施。
山口淑子との濃厚なキスシーンが話題になった悲恋ストーリー『暁の脱走』(1950)、特撮映画『妖星ゴラス』(1962)、藤島茂の同名原作を脚色した喜劇『トイレット部長』(1961)、中央官僚組織を舞台にしたサスペンス『現代人』(1952)など幅広いジャンルの池部作品を上映。『昭和残侠伝』シリーズからは佐伯清監督作『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(1966)を、また『乾いた花』はニュープリントで上映する。(編集部・石井百合子)
特集上映「風のように 映画俳優・池部良」は5月17日から7月11日まで、ラピュタ阿佐ヶ谷にて開催