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『百日紅』原恵一監督、観客に挑戦したい!外国人記者たちに宣言

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『百日紅』を手掛けた原恵一監督
『百日紅』を手掛けた原恵一監督

 アニメーション監督の原恵一が7日、有楽町の日本外国特派員協会で行われた映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』記者会見に出席、外国人記者からの質問に答えた。

映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』フォトギャラリー

 江戸の浮世絵師・葛飾北斎と、その制作をサポートし続けた娘・お栄を取り巻く人間模様を描き出した本作。原監督が「ロックな女性」と評する芯の強いお栄のキャラクター像は外国人記者の関心を集めたようで、「お栄は父の仕事のサポートをする女性だが、日本のアニメ業界における女性の地位はどうなのか?」など、社会的な視点を踏まえた質問も投げ掛けられた。

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 そんな中、「日本のアニメの場合、若い少女が主人公の作品も多いですが、この作品のお栄は自立した強い女性を描いている。そこに込めた思いは?」という質問が。それに対して原監督は「原作では(父親の)北斎や、(北斎たちの家に居候している)善次郎が主人公のエピソードもありますが、1本の映画にするならばお栄を主人公にするべきだと思いました。なぜなら、お栄は(原作者の)杉浦日向子さんが自分を投影したキャラクターだと思ったからです。杉浦さんはやわらかですてきな女性でしたが、作家だけにそれだけでない1面もあるのではないかと思ったからです」とコメント。

 またある記者からは、「この映画は日本では教材となるくらいに素晴らしい」と前置きをした上で、劇中には花魁(おいらん)や、男女の交わりを描いた春画なども登場することから、「海外の場合だとアニメは子供たちが観る物という考えがあるから、子供たちにはきちんと説明しなくてはいけない。原監督自身は、この映画を子供に観せてもいいと考えている?」という意見も。それに対して「小学校も高学年くらいになったら全然、観てもいいと思う。仮に意味がわからなくても、彼らはきっと自分なりに判断してくれると思うから」と切り出した原監督は、「僕はこれを子供に観させておけば安心・安全という作品には、あまり興味がない。むしろお客さんを挑発したいし、挑戦したい。だからこの題材を選びました」と力強く付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日より全国公開

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