大泉洋、映画監督に物申す!「カットは早く言ってくれ」
俳優の大泉洋が16日、都内で行われた映画『駆込み女と駆出し男』初日舞台あいさつに、戸田恵梨香、満島ひかり、キムラ緑子、内山理名、武田真治、原田眞人監督と共に出席した。撮影中、本当に首をつることになってしまったという大泉は、原田監督に声高にクレームをつけ、笑いをさらった。
本作は、井上ひさしの小説「東慶寺花だより」を原案にした、笑いと涙の人情エンターテインメント。江戸時代、離縁を求める女たちが駆け込む縁切寺を舞台に、男と女のもつれた愛の糸を解きほぐす離縁調停人と、彼らの助けを借りながら人生の再出発に臨むワケあり女たちの姿が描かれる。
印象的なシーンを聞かれた大泉は、首をつられる場面を挙げると「つらかったですよ。ぐっと上がるところでスタントさんと代わるはずが、監督のカットが遅くてつられてしまった」と渋い顔。さらに、「世の中の監督に言いたいのは、カットは早く言ってくれ」と猛抗議した。
それを受けて戸田は、満島を背負って石段を上るシーンについて、「石の階段でボコボコして足元がおぼつかない中おぶっていて、人の命を預かるとはこういうことなんだと思った」と振り返りつつ、「絶対離さないとおぶったが、カットが遅くて『まだかよ』と思いながらやっていました」と吐露。監督へのクレームは続き、「暴力の引き出しがあまりない」という武田も、バイオレンスシーンにおいて、細かい説明がなく、体当たりで挑まなくてはならなかったことに「本当に嫌だった」と顔をしかめた。
しかし、全身全霊でぶつかったキャスト、スタッフのおかげで自信の一本ができた原田監督は、「続編作れるかなというアイデアはある」と期待を持たせるコメントで観客を喜ばせると、「名作に育っていくかは皆さんの力。どんどん観て、孫の代まで語り継がれるような名作にしていただきたい」と思いの丈をぶつけた。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『駆込み女と駆出し男』は全国公開中