「まれ」の門脇麦、映画単独初主演作で“尾行慣れ”したと照れ笑い
NHKの朝ドラ「まれ」に出演中の女優・門脇麦が、小池真理子の恋愛サスペンス小説を映画化した『二重生活』(2016年初夏全国公開)で映画単独初主演する。門脇は見ず知らずの既婚男性・石坂(長谷川博己)を尾行するという禁断の行為にハマっていくヒロインの大学院生・珠を演じ、4月の都内某所で行われた撮影では、眼鏡をかけてひそひそと尾行にいそしむ姿があった。この難役に「最初は尾行していることの違和感みたいなものがあったんですけど、演じ続けるうちに“尾行慣れ”してきたなって(笑)」と笑顔を見せる門脇が、岸善幸監督と共に役や作品について語った。
NHK特集ドラマ「ラジオ」などを手掛けたドキュメンタリー出身の岸監督は、門脇の目に惹(ひ)かれて主演に起用したという。「セリフを言わない部分での表情がこの作品では重要。この目だと、尾行したときに動物的にもなれると思った」「もう何も言うことがない状態」と太鼓判を押された門脇は、「いろんな人を尾行するなかでも、その人の何に興味を持って尾行しているかっていうことが毎回鮮明に違う。そこを大事にしたい」と力を込めた。
また、演じる上で何が一番大切かを考えたときに「自分の中の空白を埋めざるを得ない女の子ということ。虚無感じゃないけど、埋めないと生きていけないことが癖になっている。そういう部分を表現できれば」と明確にイメージした門脇。撮影初日からどんな作品になるのかわからなかったと笑うが、「彼氏(菅田将暉)とのシーン、尾行中のシーン、教授(リリー・フランキー)とのシーン。比べても同じ作品という感じがしない」という人間の二重性に迫った本作ならではの理由を挙げた。
岸監督は一見地味な尾行を題材にしながらもエンターテインメント性が強い作品作りを脚本の段階から意識していたという。「珠は20代で、追い掛ける対象は40代で、彼女に尾行を勧める大学の教授が50代。それぞれの恋愛模様があるんですけど、世代を超えてみんなが楽しめる作品になればいいなと思っています」(編集部・小松芙未)