ウディ・アレン、連続タッグのエマ・ストーンを大絶賛!「予想をはるかに超えてきた」
第68回カンヌ国際映画祭
現地時間15日、第68回カンヌ国際映画祭で非コンペティション部門に出品されている巨匠ウディ・アレン監督の新作ミステリー『イラショナル・マン(原題) / Irrational Man』の公式会見が行われ、アレン監督が『マジック・イン・ムーンライト』に続きヒロインに選んだ女優のエマ・ストーンを絶賛した。
アレン監督とエマの初タッグ作『マジック・イン・ムーンライト』フォトギャラリー
人生に意味を見いだせない哲学の教授エイヴ(ホアキン・フェニックス)が小さな町の大学に赴任し、教え子ジル(エマ)と同僚の教授リタ(パーカー・ポージー)という二人の女性と出会うところから始まる本作。エイヴはジルと一緒に他人の会話をたまたま盗み聞いたことからある究極の選択をし、それによって生きる喜びを取り戻すが……。
アレン監督はエマとの出会いについて、「彼女の映画を観たのは偶然。ランニングマシンでエクササイズをしているときに、気を紛らわせてくれるものを探していてエマを見た。その映画での彼女は美しくてとてもおかしく、一緒に働いたら楽しい人だと思ったんだ」と述懐。そして初タッグ作となったロマンチックコメディー『マジック・イン・ムーンライト』で素晴らしい演技を披露したため、本作での美しく聡明な大学生役を考えたときにすぐエマの顔が浮かんだという。
「それまでの彼女の出演作は軽い喜劇が多く、ドラマチックなものをやっているのを観たことがなかった。これは彼女にも言ったんだけど、だから驚かされたんだ。予想をはるかに超えてきたんだ。彼女が良いのは知っていたけど、これほどまでに良いとは思わなかった。彼女がこんなにプロフェッショナルで素晴らしい女優だったなんて」と大絶賛。この日の会見に出席したのはアレン監督、エマ、パーカーの3人で、質問はエマに関するものだったものの、アレン監督は彼女だけを褒めるのは悪いと思ったのか、パーカーもずっと一緒に働きたいと思っていた女優だと熱っぽく続け、紳士的な一面を見せた。
また、自身の演出法ついては「素晴らしい役者を雇い、彼らの邪魔をしないこと」ときっぱり。「監督ぶって彼らにうるさく言って台無しにするな。彼らがセリフを変えたいと言うなら変えさせろ。なぜなら僕が一緒に働いてきた俳優は、僕と会う前からキャリアもあって、有名で、素晴らしい。そして僕の映画でも素晴らしいし、僕から離れた後も素晴らしい。何も特別なことはない。やらなきゃいけないのは素晴らしい役者を雇うことだけ。監督とクレジットされていればすごい仕事をやったと思われるけど違う。ただ彼らを台無しにしなかっただけだ」と語っていた。(編集部・市川遥)
第68回カンヌ国際映画祭は24日まで開催