宮崎駿監督『カリオストロの城』の原点!「幽霊塔へようこそ展」の全容
宮崎駿監督が企画・構成を手掛けた企画展示「幽霊塔へようこそ展 ー通俗文化の王道ー」の内覧会が29日、三鷹の森ジブリ美術館で行われ、その全容が明らかになった。
【写真】あれは…クラリス!「幽霊塔へようこそ展 ー通俗文化の王道ー」展示内容
宮崎監督が中学時代に夢中になって読んだという江戸川乱歩の小説「幽霊塔」を取り上げた本展示。同作で展開される絶世の美女と主人公のロマンスに憧れ、その舞台に魅入られた宮崎監督は、時計塔の重層的な構造や内部の仕組みに想像をめぐらせ、その結果、建物や歯車などが好きになったのだとか。
館内の中央ホールには、高さ12.5メートルの巨大な「時計塔」が鎮座。下にはハンドルが設置されており、それを回すと時計の針が動き、鐘が鳴り響くようになっている。また、内部のらせん階段を登り切ると、とある階段の途中に抜け、そこからさらに階段を下りることで展示室につながる仕組みだ。
展示室には、歯車が入り組んだ地下の大迷宮を模した子供向けの迷路が設置されている。壁の高さはおよそ1メートル。探検気分で隣の展示室まで抜けることができる。また、大人向けには近道が用意されており、そちらの壁には、宮崎監督が描き下ろしたマンガ「ぼくの幽霊塔」を掲示。この展示のために描き下ろされた16枚のマンガパネルには、宮崎監督の想像を交えた、同作の魅力や思い出が生き生きと描き出されている。
会場には「幽霊塔」に多大なる影響を受け、時計塔やロマンスの要素が劇中に盛り込まれている『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)の展示も。会場内には同作のジオラマがあり、ルパンやクラリスなどのフィギュアもさりげなく置かれている。さらに「『ルパン三世 カリオストロの城』は『幽霊塔』の子孫です」と題した3枚のパネルも同時に掲示。ジブリ美術館の中島清文館長も「宮崎監督が子供の頃から好きだったものを展示していて、宮崎監督の頭の中を見ているような感じになっている。(長編アニメ)引退後、去年、今年と2年にわたって宮崎監督に関わってもらった。(中央ホールの)らせん階段を使って、時計塔を作るという発想は宮崎監督のおかげ」と謝辞を述べていた。(取材・文:壬生智裕)
「幽霊塔へようこそ展 ー通俗文化の王道ー」は5月30日から2016年5月まで三鷹の森ジブリ美術館で開催予定
※全国のローソンにて毎月10日(土・日・祝日の場合は翌平日)より翌月分のチケットを発売。店頭Loppi、電話、インターネットで予約申し込み
※2015年の夏休みシーズン入場チケットのみ、10日の一般チケット発売に先行して、抽選販売を実施。7月分は5月25日、8月分は6月25日より、インターネットと電話にて申し込み受付開始