パチモン『マッドマックス』がズラリ?負の遺産だらけの近未来バイオレンス映画! - 映画秘宝
『マッドマックス』が帰ってくる! 世界中のファンを歓喜させ、多くの期待と不安の声を集めたシリーズ最新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の日本公開に合わせ、映画専門雑誌「映画秘宝」7月号では、同シリーズの魅力を徹底解剖。完全保存版の特集が組まれている。
狂気が加速する!『マッドマックス 怒りのデス・ロード』日本版予告編
シリーズの特集並みに目を引くのが、1979年に1作目が公開された『マッドマックス』の影響下で大量に製作された「負の映画遺産たち」を紹介する「近未来バイオレンス映画ビジュアル大図鑑!」。『マッドマックス』の登場人物そのままのファッションに身を包んで武器を手にしたキャラクターのジャケットがズラリと並ぶ誌面を見るだけで、同シリーズがいかに多くのフォロワーを生み、映画文化に影響を与えてきたのかが、視覚的に理解できる。
江戸木純氏は、ロジャー・コーマンがシリオ・H・サンチャゴ監督と組んで世に送り出した、『ストライカー』『ファイアー・マックス』といった一連の近未来SFバイオレンス作品を紹介。その評価は「基本設定を冒頭にナレーション説明し、あとはひたすら話そっちのけで火薬と銃弾の浪費を見せつけるシーンがえんえんと繰り広げられる爆破ポルノ」と散々だ。
また変わり種としては、ギンティ小林氏が、1985年に発表された長渕剛の同名アルバムのPV「HUNGRY」をチョイス。原田眞人監督がメガホンを取った作品で、「核戦争後の荒野(たぶん鳥取砂丘)を霊柩車改造の武装カーが走る冒頭から、低予算ながらも随所にセンスのいい世紀末ビジュアルが炸裂!」など絶賛する一方で、「勇気を出して言うと肝心の音楽が合ってないんだよな。フォーク調で……」とつづっている。
もちろん誌面では、『怒りのデス・ロード』に登場する改造車について、1台1台事細かに解説したページや、シリーズ前3作の背景を詳細に追った特集など、『マッドマックス』シリーズの情報が充実。ファンにとっては保存版。初心者(?)にとっては入門編にぴったりの一冊になっている。(編集部・入倉功一)
「映画秘宝 2015年7月号」は発売中 洋泉社刊 (税込み1,080円)