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浅野忠信が語る、日本と海外の映画作りの違い「情熱を第一と考えているか」

第68回カンヌ国際映画祭

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映画『岸辺の旅』の浅野忠信&深津絵里 - 第68回カンヌ国際映画祭フォトコールで撮影
映画『岸辺の旅』の浅野忠信&深津絵里 - 第68回カンヌ国際映画祭フォトコールで撮影 - (c) KAZUKO WAKAYAMA

 映画『岸辺の旅』で黒沢清監督、深津絵里と共に第68回カンヌ国際映画祭を訪れた浅野忠信が取材に応じ、日本と海外の映画作りの違いについて語った。浅野は日本はもちろんのこと、『モンゴル』『マイティ・ソー』『バトルシップ』をはじめ、マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説「沈黙」を映画化する新作『サイレンス(原題) / Silence』など世界を舞台に活躍を続けている。

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 日本と海外の映画作りの違いは「“情熱”というところが一番大きい」という浅野。「日本人も同じように情熱はあるはずなんですけど、それを第一と考えていないときがあるような気がするんです。向こうの人はそこは譲らないですもんね。なぜそこへ行こうとしているのか、なぜそれが必要なのか、というのを意識していると思うんです。『自分が来ようとしてここに来た』ということが絶対的にあるわけで、それに対して不平不満は言わない。自分ができることはとことんやって、それが誰かに届けば、さらにその情熱を持続できるし、また必要としてもらえると信じているんでしょうね。もちろん日本の人たちもそういった強い情熱は持っているはずなんですが、こう、なんとなくやっていけちゃうときがあるんです」。

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 海外ではヒットする・しない、評価される・しないという結果が、日本のように表面的ではないと感じたという。「本当につかもうとしてつかんだ結果なわけですから、やっぱり負けたときは傷つくわけですよ。日本でやっているとそんなに傷つかないまま漂っていられたりするから……。別にそれでもいいんです。ただ、面白いか面白くないかで言ったらやっぱり自分の情熱に向き合った方が面白いんですよね。絶対面白いんですよ! その分大変ですけど。だから僕もそこからとても大きな成長をさせてもらうことができましたし、何より僕自身が面白いと感じられるようになり、貪欲にもなりました」と自身の取り組み方も変化したと明かした。

 海外での舞台経験はあるが、映画はないという深津は「浅野さんの(海外での)撮影のお話を聞いているとすごく楽しそうでその分苦労も多そうで、そこで学べることは絶対に力になっているはずだからうらやましいと思います」とコメント。今回『岸辺の旅』でのカンヌ映画祭参加を通して、「やっぱりもっときちんと作らなくちゃいけないと意識しました。もちろん今もきちんと作っているんですけど、さらに。日本だけに居ると視野が狭くなってしまったり、気持ちが小さくなったりすることがあると思うんですが、そうではなく、きちんと作ればきちんと観てくれる人が居る、届くところがある、というのをもっと考えなくてはいけないなと思いました」と気持ちを新たにしていた。(編集部・市川遥)

第68回カンヌ国際映画祭は24日まで開催
映画『岸辺の旅』は10月1日よりテアトル新宿ほか全国公開

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