『トイレのピエタ』杉咲花、松永監督に「泣かされた問題」で徹底討論!
人気ロックバンド・RADWIMPSの野田洋次郎が映画初主演を務めた『トイレのピエタ』の公開前夜祭が5日、タワーレコード(都内・渋谷区)で行われ、ヒロイン役の杉咲花とメガホンを取った松永大司監督が出席。かねてから撮影現場で「監督に泣かされた」と発言していた杉咲に対して、松永監督が「取材で答えるから、あちこちで書かれちゃって。本当にもー、あれは虚像です!」と主張し、トークショーは一転、泣かされた論争(?)へと発展した。
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そもそもなぜ杉咲は、泣かされるほど追い込まれたのか。松永監督は、「その『泣かされた問題』ですが、泣くシーンの演技だったから、実は当たり前なんですよ」と笑顔で弁明。すると、すかさず杉咲は、「泣くって(台本に)書いてなかったですよ! 監督は自分の中で台本が完成しているんです」と主張すると、あれこれ話し合ううちに松永監督が「あれ、そうだっけ? ごめん、僕が悪かった」と平謝り。
さらに、「いきなり、『そんな演技、俺でもできる!』とどなられた」と述懐する杉咲に対して松永監督は、「花の世代の女優さんは本当にうまい人が多い。でも、そのうまさが僕はときに嫌だったりして、もっとうまくないところでの『感情が壊れる瞬間』が見たいなと思ったんです。花もやっぱりうまくて、このうまさ嫌だなぁと思ったので、どんどん追い込んでいった。でも(結果的に)すごいものが出てきたんですよね」と大絶賛。
厳しさは、松永監督の情熱の裏返し。それを悟った杉咲は、泣きながらの撮影であっても「でも楽しかった」と必ず語尾をポジティブな言葉で包み込む。「監督から、この作品は洋次郎さんと花へのプレゼントだって言われていたのですが、映画を観て、すごいものに出会ってしまったなって。これからわたしは、『トイレのピエタ』を超えるものを作らなければいけないなって思いました」と最後は感謝の気持ちを込めて、しみじみと語った。
本作は、手塚治虫氏の病床日記を基に、『ピュ~ぴる』の松永監督が脚本も手掛けた青春ラブストーリー。野田が演じる余命3か月を宣告された青年・宏と、心に傷を持つ勝ち気な女子高生・真衣(杉咲)との純愛を軸に、生きることの尊さを浮き彫りにしていく。(取材:坂田正樹)
映画『トイレのピエタ』は6月6日より新宿ピカデリーほか全国公開