「スパイダーマン」の生みの親スタン・リー、日本の若手クリエイターにアドバイス!
『スパイダーマン』『X-MEN』シリーズなどの原作者として知られるアメコミ界の重鎮スタン・リーが12日、ビデオ電話を通じて、日本の若手クリエイターと交流した。
動画サービスのYouTubeでは、スタンが率いるPOW!エンタテインメントとタッグを組み、次世代のスーパーヒーロー作品を生み出すことを目的とするプログラム「YouTube's World of Superheroes」をスタート。六本木の YouTube Space Tokyo に、7月中旬までの期間限定で、ヒーロー物が撮影できる近未来的なセットを開設した。この日はそれに伴い、92歳のスタンが世界各国の若手クリエイターたちに制作上のアドバイスを与えるという、貴重な機会が設けられた。
今回、日本のクリエイター代表としてアドバイスを受けたのは、自主映画制作団体 OFD films を主宰する岡田紳吾氏。さっそく岡田氏から、「ヒーローとは?」というストレートな質問を投げ掛けられたスタンは「ヒーローでいるのは難しいことだよ。でも、他の人を助けるためなら困難があってもやる。それこそがスーパーヒーローなんだ。僕が岡田さんの質問に答えるのは非常に難しいことだけど、僕はヒーローだからここにいるわけさ」とちゃめっ気たっぷりに解答。
さらに「特殊能力をどうやって発想するんですか?」と尋ねられると、「それが一番難しい。こればかりは、結局努力するしかない」と返答。さらに「他では見たことがないようなスーパーパワーを見つけたいと思っているんだ。何の作品かは言わないけど、僕は(これまでに)2人分ほど、全く見たことがないスーパーパワーを生み出すことができたと自負している。誇らしいね」と付け加えた。
その後は、岡田氏が発案したスーパーヒーロー「キャプテンサムライ(仮名)」のデザイン画を見ながら、「すごいスピードで木を切り倒したらどうか?」「高く飛べるのもいいね」といったアドバイスを伝授したスタン。最後は「これで稼いだら、僕に(利益を)半分ちょうだい」と冗談交じりのコメントで交流を締めくくった。
まさに現代エンターテインメント業界の「生きる伝説」ともいうべきスタンからアドバイスを受けた岡田氏は「92歳とは思えないくらいパワフルでオーラのある方でした。言っていることはシンプルなのですが、だからこそ力強い」と感銘を受けた様子。今回のアドバイスを受けて制作される岡田氏の新作は、7月上旬に撮影が行われる予定。(取材・文:壬生智裕)