肌の色がうつると差別され…ミス・ユニバース日本代表 宮本エリアナが語る差別経験
黒人差別の歴史を「非暴力」で変革したマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師の実話を基にした映画『グローリー/明日(あす)への行進』スペシャルトークショーが16日、都内で行われ、「2015ミス・ユニバース・ジャパン」の宮本エリアナさんが登場。ハーフとして初の日本代表になったことで注目される彼女は、「わたしがミス・ユニバースに出場したことで『勇気をもらった』と言ってくれる人もいます。(本作から)行動することの大きさを学びました」と自身の過去を振り返った。
現在21歳。日本人の母親とアフリカ系アメリカ人の父親の間に生まれ、「ハーフであることがコンプレックスで、ずっと自分のことが好きではありませんでした」という宮本さん。「見た目が日本人ではないということで、学校で『肌の色がうつるから、プールに入らないで』と言われたこともあります。友人がハーフであることに悩んで命を絶ってしまい、それを止められなかった自分がもどかしくて。ミス・ユニバースをチャンスと思って、その舞台で人種の問題を訴えたいと思っています」と真っすぐな視線で話す。
さらに、宮本さんは「昨日、(キャロライン・)ケネディ(駐日米国)大使とお会いして、ケネディさんに『一緒に、何か仕事をしていきましょう』というお言葉をもらいました。わたしも行動で何か伝えていきたい」とほほ笑んだ。また、同席した国連広報センター所長の根本かおるさんが「まるでキング牧師みたい」ともらすと、宮本さんは「(ハーフの)自分を愛せるようになったので、これからもっと『こうしたいということ』を見つけたいです」と今後の夢を語った。
本作は、キング牧師の指導によりアメリカ公民権運動が盛り上がりを見せる中、1965年アラバマ州セルマで起きた「血の日曜日事件」と、セルマから州都モンゴメリーまで5日間、2万5,000人もの人がただ歩くことだけで黒人差別の歴史を動かした「世紀の大行進」を描く感動作。(取材/岸田智)
映画『グローリー/明日(あす)への行進』は6月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開