「パックマン」は米で100%の認知率!80年代の日本のビデオゲームがブームの兆し
現地時間15日、パックマンやインベーダーなど80年代の日本の人気ゲームキャラクターが地球を侵略するという奇想天外なSFアドベンチャー映画『ピクセル』の記者会見が開かれ、クリス・コロンバス監督、主演のアダム・サンドラー、ミシェル・モナハン、ピーター・ディンクレイジ、ケヴィン・ジェームズが記者会見に出席し、アメリカで日本の80年代のゲームが高い人気を誇っていることを明かした。本会見は、メキシコ、カンクンで開催されているソニー・ピクチャーズ エンタテインメント主催、世界中のプレスが200媒体以上集結するジャンケットイベント「SUMMER OF SONY PICTURES ENTERTAINMENT 2015」にて実施された。
本作を製作するきっかけとなったのは、『ハリー・ポッター』シリーズを大ヒットに導いた1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』のクリス・コロンバス監督が、脚本を読んで雷に打たれたような衝撃を受けたことだったという。「アダム・サンドラーが脚本を送ってくれたんだ。僕が読んだここ5年のいろいろな脚本の中で一番の出来の脚本だと思ったよ。最近ハリウッドのヒーローものは、過去のものを焼き直したものばかり。そんな中、オリジナリティーにあふれ斬新だった」と最近のハリウッドへの皮肉も込めて語った。
登場するゲームは、パックマン、ドンキーコング、インベーダーと日本人なら誰もが知っている日本のテレビゲームのルーツとも言えるものばかり。アメリカ人に本作をスクリーニングした結果、驚くことに100%がパックマンを知っていたという。また、アダム・サンドラーの6歳と9歳の息子もこれらのキャラクターを知っていたということからも世代を超えた認知度の高さといえよう。
パックマンはナムコ(バンダイナムコエンターテインメント)、ドンキーコングは任天堂、インベーダーはタイトーの看板ゲーム。異なるゲーム会社のキャラクターを一つの作品に入れ込むことは、著作権が複雑でなかなか難しい。クリス監督は「何度も根気よく足を運んで、映像にしたら、いかにすばらしいかをいろいろな方向からプレゼンしました。ただ難しかったのは、一つのキャラクターにもいろいろなヴァージョンがあり、そのときによって姿形が微妙に違うため、一つにまとめるのは容易ではなかった」と映画化までの道のりを明かした。最終的な映画化は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの強力なバックアップにより実現したという。
最近ではアメリカ各地に、ゲームカフェなるものがオープンしているらしい。インベーダーやパックマンなどのテーブル型のゲーム機が設置された喫茶店だ。日本でもインベーダーが大流行したときに全国で次々とオープンした。アメリカで密かな8ビットゲーム流行の兆しといえる。
さまざまな、ゲームやエレクトロニクスが進化し、複雑化していく昨今だが、シンプルイズベストと原点に戻ってみたくなるのは人間の自然な欲求だろう。映画もシンプル。理屈抜きで楽しめる。(編集部:下村麻美)
映画『ピクセル』は2015年9月12日(土)