押井守「攻殻機動隊」新作に意欲?シリーズ歴代監督が集合!
19日、TOHOシネマズ 新宿で『攻殻機動隊 新劇場版』公開前夜祭オールナイトイベントが行われ、押井守、神山健治、黄瀬和哉、冲方丁、プロデューサーの石川光久ら「攻殻機動隊」の歴史を積み重ねてきた豪華メンバーが勢ぞろいした。
押井守、神山健治、黄瀬和哉が集結!『攻殻機動隊 新劇場版』フォトギャラリー
新劇場版の公開を記念して行われた本上映会では、「攻殻機動隊ARISE PYROPHORIC CULT(前後編)」『攻殻機動隊 新劇場版』『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man」を一気に上映。さらに、シリーズの歴代監督が公の場に勢ぞろいするのは初の機会とあって、この日のチケットは10分で完売。観客の期待は最大限に高まっていた。
石川は、25年に及ぶ「攻殻機動隊」の歴史を「25年前はちょうど『パトレイバー』を作るときで。押井さんの絵コンテにはしびれましたね。しかも次が『攻殻』。Production I.Gは押井さんのためにあるんじゃないかと思っていたんですけど、それもだんだん『イノセンス』あたりからおかしくなってきた」と振り返ると、「それで今、押井さんに言いたいのですが、借金を返してほしいんですよ!」とぶちまけ客席は大爆笑。
続けて、黄瀬が手掛けた新作劇場版の感想を求められた押井は、「想像したよりも全然面白かった。全体的にテンポがいいし、お話もよくできている。余計なことをしていないから抑制が利いているし、画面の作りがスッキリしているのも良かった」と好評価。さらに「これは思うに、冲方さんの脚本が良かったんだろうな。黄瀬の絵は良くて当たり前。良くなかったら怒る。たぶん、黄瀬はいい感じに年をとったんだろうな。バランスが良くなった」とすなおじゃない押井としては珍しく(?)最大限の褒め言葉で新作を称賛した。
そして最後に「まさかこんな日が来ようとは夢にも思わなかった」と切り出した押井は、「この三人はケンカもしましたし、いろいろありました。でも結果が良ければいいかなと。『攻殻機動隊』も25年続いた作品なので、もしかしてまだ続きがあるかもしれない。それなら1周してまた最初に戻るのかなと。(主人公の)素子は年をとらないから、いくらでもできますからね。望まれればやるだけ」と「攻殻」次回作への意欲をほのめかすひと幕もあった。(取材・文:壬生智裕)
『攻殻機動隊 新劇場版』は6月20日より全国公開