顔面破壊、整形、強制収容所からの生還…『めまい』をモチーフにした衝撃作の予告編公開
もしも自分を“演じる”ことになったら……? 強制収容所から生還したユダヤ人女性の数奇な運命を描いた衝撃のドラマ『あの日のように抱きしめて』の予告編が公開となり、整形手術を経て夫のもとに戻ったヒロインと、そんな彼女に思わぬ反応を示す夫の再会模様が映し出されている。
【写真】ナチスの強制収容所から生還し、自分を“演じる”ユダヤ人女性の衝撃作フォトギャラリー
2012年に『東ベルリンから来た女』でベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を獲得したドイツ人監督クリスティアン・ペツォールトが、再び同作の主演コンビ、ニーナ・ホス&ロナルト・ツェアフェルトとタッグを組んだ本作の舞台は、1945年のベルリン。強制収容所で顔を破壊され、整形手術を受けたネリーは、親友でユダヤ人機関で働く弁護士レネの協力を得て、夫ジョニーのもとに帰還。しかし、妻は収容所で死んだと思い込むジョニーはネリーを別人と信じて疑わず、衝撃的な言葉を告げる。それは、ネリーが妻に成り済ますことで、妻の一族の遺産を山分けしようという計画。
予告編には、顔にまだ生々しい傷跡が残るネリーと、彼女が妻と気付かず恐ろしい計画を持ち掛けるジョニーとの第二の人生が映し出される。ジョニーは裏切り者だと忠告する親友レネ、夫の助言のもと戸惑いながら自分を“演じる”一方で、元の自分に戻りたいと願うネリー、思い出の曲「スピーク・ロウ」、そして、夫のある“秘密”を知る第三の存在……。緊迫感漂う断片映像が、ヒロインを待ち受ける衝撃的な結末をほのめかす。
果たして、夫は親友の言う通り本当に「裏切り者」なのか……? ペツォールト監督いわく、本作は「いわば『めまい』と強制収容所の生還ストーリーをブレンドしたようなもの」。強制収容所から生還したヒロインが見舞われるさらなる悲劇を、ヒッチコック風のサスペンス仕立てで描いた本作の魅力を克明に伝える予告編映像となっている。(編集部・石井百合子)
映画『あの日のように抱きしめて』は8月15日よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開