悲惨な女子大生殺人事件が昼メロ調で報道された背景…D・ブリュール主演『天使が消えた街』予告公開
イタリア犯罪史上最も国際的な注目を浴びた事件「ペルージャ英国人女子留学生殺害事件(アマンダ・ノックス事件)」を題材にした映画『天使が消えた街』の予告編が公開され、本作が、残忍で悲劇的な殺人事件が2人の若く美しい女性を主人公にした昼メロ調のドラマのように報道され、大衆に消費されていったわけを問い掛ける内容になっていることが明らかになった。
アマンダ・ノックス事件は、2007年にイタリアで起きた殺人事件。ペルージャ市内のフラットで、死亡直前に性行為を受けた英国人女子留学生刺殺遺体が発見され、被害者のルームメイト・米国人女性アマンダ・ノックスとその交際相手と事件当夜部屋にいた麻薬密売男の3人が逮捕された。被害者の女性とアマンダが若く美しかったことや、アマンダの家族がシアトルのPR会社と契約しアマンダの無罪を主張したことによって、この事件は非常にセンセーショナルな事件としてとり上げられた。
本作は、事件から4年後、事件を映画化しようと現地に乗り込んだ映画監督トーマスが、創作上の迷いを抱えながらも、事件の真相を求め撮影を進めていくさまを追ったサスペンス調の作品。アマンダ・ノックス事件に関しては数多くのノンフィクションやドキュメンタリーが発表されているが、『イン・ディス・ワールド』のマイケル・ウィンターボトム監督は、一連のセンセーショナリズムとは全く異なる視点で映画化。それは予告編でトーマスが「恐怖や殺しの映画は撮りたくない。愛の映画を撮る」と語っていることからもうかがえる。
主役のトーマスを演じるのは『ラッシュ/プライドと友情』のダニエル・ブリュール。事件の真相を追うジャーナリストのシモーンを『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセイル、創作上の悩みを抱えるトーマスを励ます女子大生メラニーを人気モデルのカーラ・デルヴィーニュが演じる。(編集部・高橋典子)
映画『天使が消えた街』は9月5日よりヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開