高良健吾&尾野真千子『きみはいい子』モスクワ国際映画祭で最優秀アジア映画賞に輝く!
高良健吾と尾野真千子が共演した映画『きみはいい子』が、第37回モスクワ国際映画祭(現地時間6月19日~26日に開催)で、最優秀アジア映画賞にあたるNETPAC賞を受賞したことが明らかになった。
24日の公式上映終了後には、大勢の観客が呉美保監督に駆け寄り、「この映画を世界中の人たちに観てほしい!」「これは世界中、どこの国にでも当てはまる」と興奮気味に話す姿が見受けられ、前日23日の現地会見で呉監督が語った、「これは世界の誰にでも当てはまるテーマなんじゃないかと思っている。一つでも救いになったり、何かの一歩になるきっかけになれば」という願いが海外の観客にも伝わったようだ。
モスクワ映画祭は、カンヌ、ベネチア、ベルリン映画祭と並び世界四大映画祭と称される権威ある映画祭で、これまで黒澤明、新藤兼人など日本を代表する監督の作品が上映されてきた。同映画祭では、近年日本映画の受賞が続いており、第35回では真木よう子主演映画『さよなら渓谷』が審査員特別賞、昨年開催された第36回では『私の男』が最優秀作品賞と最優秀男優賞に輝いている。本作は、今年のコンペティション部門において、邦画から唯一の出品作であった。
『そこのみにて光輝く』で第38回モントリオール世界映画祭・最優秀監督賞を受賞した呉監督が、中脇初枝の第28回坪田譲治文学賞作を映画化した『きみはいい子』は、学級崩壊をさせてしまう新米教師や、親からの虐待を受け自身も子供を虐待する母親など子供と大人の問題をテーマに、現実と葛藤しながらも生きていく人々の姿を描く再生と希望の物語。池脇千鶴、高橋和也ら実力派俳優陣が脇を固め、愛することの尊さを訴え掛けている。(編集部・吉田唯)
映画『きみはいい子』は6月27日よりテアトル新宿ほか全国公開