ピクサー最新作、ストーリーのために描いた絵コンテは17万枚超!
ストーリーに特に重きを置いていることで知られているピクサー。最新作『インサイド・ヘッド』では、ストーリー作りのために17万7,000枚以上の絵コンテが描かれたという。
『インサイド・ヘッド』の企画は、ピート・ドクター監督の前作『カールじいさんの空飛ぶ家』の日本公開を控えていた2009年8月にスタート。ドクター監督は、自身のアイデアをスカイウォーカーランチ(ルーカスフィルム本社が入っているスタジオの総称)で、共同監督のロニー・デル・カルメンとプロデューサーのジョナス・リヴェラと2日間かけて話し合った。
2009年10月にジョン・ラセターにゴーサインをもらったドクター監督たちは、2010年からディベロップメント(開発)と呼ばれる、ひたすらストーリーやキャラクターについて考える過程に突入。この時期のドクター監督は、ランチの際のナプキンにアイデアを書きとめるなど、常に仕事に追われていたという。このときからすでにストーリーは作られ始めていたが、その後ストーリーについては2014年まで何度も練り直されることになる。
そして2011年にストーリー部門が正式に発足。同部門では脚本のアイデアを絵コンテとして視覚化することが求められている。同部門によって出来上がった絵コンテはドクター監督の確認後、エディトリアル(編集)部門に回される。しかしストーリー部門の仕事はこれで終わったわけではない。
エディトリアル部門により、絵コンテとセリフなどの音が組み合わされた約90分の映像が仕上げられると、その映像は監督やストーリー部門のトップを含んだグループで鑑賞される。彼らから作品のダメだしが出ると、その意見を基にストーリー部門は出来上がっていた絵コンテをバラバラにして、再び新しい絵コンテを手掛けることになる。その結果、膨大な数の絵コンテが必要になったとのこと。『インサイド・ヘッド』はストーリーの完成までに、約90分の映像を合計で10回上映。それだけストーリーのリライトが行われた。(編集部・井本早紀)
映画『インサイド・ヘッド』は7月18日より全国公開