砂漠を女性が単独で3,000キロ横断!実話に基づく『奇跡の2000マイル』の焼け付く太陽
1977年にオーストラリア西部の3,000キロに及ぶ砂漠を単独横断した女性ロビン・デヴィットソンの回顧録を描いた話題作『奇跡の2000マイル』について、ジョン・カラン監督が語った。
本作は、オーストラリアの砂漠横断を計画したロビン(ミア・ワシコウスカ)は、ラクダの調教と砂漠で生き残る訓練をして、ナショナル ジオグラフィック誌の資金援助と引き換えに同誌の写真家リック・スモラン(アダム・ドライバー)の写真撮影を引き受け、愛犬とラクダと共に旅に出る。映画『ストーン』のジョン・カランがメガホンを取った。
製作経緯は20代のオーストラリア旅行経験が大きい。「ニューヨークで育った僕は、冬の寒さに嫌気がさして20年代半ばでオーストラリアに行き、そこで仕事をしたり、アウトバック(オーストラリア内陸部の砂漠中心の地帯)の旅行もした。その滞在時に若い女性の間で有名だったのがロビンの回顧録だったが、僕は当時読まなかった。むしろ、僕がこの地に向かう前に友人がくれたリック・スモランの写真集「A Day in the Life of Australia」の方が長い間脳裏に焼き付いていた。そんな過去のオーストラリア体験とリックの写真集が製作のきっかけなんだ」と明かした。
オーストラリアの直射日光には苦労させられ。「オーストラリアの砂漠付近の太陽は、15分も居れば体が焦げるくらい熱い。太陽の反射も通常の撮影方法では無理だ。さらに、事前にメイクアップ担当者がサンブロックを用意していたが、通常のサンブロックではすぐに塗った箇所がレンズに反射してしまうため、ミアの肌が焼け過ぎないように撮影の合間は、彼女に衣装を着させて体をカバーし、彼女が心地良く演技できるようにした」と説明した。
ミアのキャスティングについて「僕が今作に関わってからは、オーストラリアの女優を雇うつもりで、相当の数のオーストラリアの女優に会った。僕がアメリカ人で、女優もアメリカ人だったら、きっと駄作になっていただろう。実はミアに急きょ決まった。彼女はロビンに似ているだけでなく、ロビンのように落ち着いた性格で、ものすごい知識人でもあって、彼女に即決した」と語る通り、彼女の選択が間違いなかったと思えるほど、過酷な中で想像を絶する演技を披露している。
映画は、壮大なオーストラリアの風景と過酷な自然の中に身を投じて体で表現をするミアの演技が圧巻の作品。