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劇場から共用スペースへ 一般に開放される映画館

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時代に合わせて映画館も変容していく - 画像はイオンエンターテイメントより提供
時代に合わせて映画館も変容していく - 画像はイオンエンターテイメントより提供

 映画を上映するための施設であった映画館が、個人が利用できる開かれた共用空間に変わりつつある。その中でも利用者が急増しているのが、劇場を貸しスペースとして提供する「シアターレンタル」というサービスだ。2012年9月に同サービスを開始したイオンシネマでは、同サービスの利用件数は1年ごとに前年の2倍近いペースで増加しているという。

 今までも、舞台「真情あふるる軽薄さ」(蜷川幸雄演出)などが上演された「アートシアター新宿文化」といったジャンルにとらわれない映画館は存在していた。しかし「シアターレンタル」は、演劇や映画、音楽ライブなどエンターテインメント性のあるイベントだけではなく、セミナーや親睦会などといった「大勢が集まる場所」としての利用が多いことが特徴的だ。

 全国32都道府県に81劇場、684スクリーン(2015年7月時点)を展開しているイオンシネマでは、2014年度の「シアターレンタル」利用件数は約600件に上ったという。その3分の2が法人による申し込み。全国81か所ある立地の利便性を生かし、都市部の会場と地方の会場を生中継で結ぶことも可能なため、会社の会議や研修会、ファッションメーカーによるコンテストの中継、アーティストのファンミーティングなどでの利用が多いとイオンシネマを運営するイオンエンターテイメントの担当者は明かす。

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サンプル画像
イオンシネマ幕張新都心で行われた会社研修会の様子 - 画像はイオンエンターテイメントより提供

 一方、個人利用者からは自主映画の上映会のほか、サプライズプロポーズや誕生祝いといった短時間利用の申し込みが増えているという。特に喜ばれているのは、「思い出の場」である映画館でプロポーズや結婚式ができることなのだそう。

 イオンシネマが「シアターレンタル」を開始した背景には、「映画の上映以外でも『ひとが集まって何かをする場』として地域の文化の発展に貢献できること」への期待があったとのこと。その思いが通じてか、都市部と地方のサービスの利用者数の差異はほぼなく、都市部以外でもこの取り組みは受け入れられたという。

 さらなる顧客獲得のため、3D、4D上映や、電動リクライニング機能がついたラグジュアリーシートなど、常に新しい鑑賞環境の提案をし続けている映画館。イオンエンターテイメントの担当者は、今後の映画館のあるべき姿について、これまで同様、映画以外の音楽ライブ、演劇など多様なコンテンツの上映や、人が集まる場としての存在価値の向上などが、映画館が支持され続ける上で重要な課題であると語っていた。(編集部・井本早紀)

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