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『野火』塚本晋也監督、終戦記念日への思い…大勢の若者が来場し会場は超満員

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『野火』終戦記念日トークショーが行われ大勢の若者たちの来場に笑顔を見せた塚本晋也監督(左)、森優作
『野火』終戦記念日トークショーが行われ大勢の若者たちの来場に笑顔を見せた塚本晋也監督(左)、森優作

 戦後70年目の終戦記念日となった15日、渋谷のユーロスペースで映画『野火』終戦記念日トークショーが行われ、 塚本晋也監督と森優作がその思いを語った。

映画『野火』フォトギャラリー

 第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、暑さと飢餓で極限状態に追い込まれた日本兵の姿を描き出した大岡昇平の同名小説を鬼才・塚本監督が映画化した本作。8月11日現在、全国で約2万人以上の動員を記録しており、その輪はさらに広がっている。構想二十数年。長きにわたって本作の映画化を熱望し続けてきた塚本監督は、「何十年も前から映画にしたいと思ってきました。終戦記念日にかかるような映画にしたいとずっと思っていたので、そんな日が来たのが信じられません。感慨深い思いでいっぱいでございます」と晴れ晴れとした表情。

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 終戦記念日にあたるこの日。会場となったユーロスペースではこの日のみ終日、25歳以下が500円で入場可能となる料金設定に。会場には大勢の若者たちが来場、立ち見も出る超満員となっており、それには塚本監督も「若い方に観ていただきたいというのがだんだんと大きなテーマとなってきた。会場にはかなり小さな方もいらっしゃって。うれしいですね」と笑顔を見せた。

 この日は観客からの質問を受け付けることに。20代前半の女性からは、塚本監督演じる田村一等兵のまなざしが常軌を逸していた、という感想が飛び出し、「例えば1日半とか2日間徹夜をすると音に敏感になったりしますが、そうやって役づくりをしたのですか?」という質問が。それには「何十年も考えていた企画だったので、作り手としても演じ手としても一心同体となっていた。むしろ空っぽになっていた。あとは(戦時中の兵士を演じるために)おなかをすかせていた。だから鋭敏になっていたし、怒りっぽくもなっていました。睡眠はそこそことっていたような気がします」と返答。

 さらに「塚本さんは沖縄の撮影初日にうなされていましたね」という森の言葉に、塚本監督も「すごい悪夢にうなされました。うなされた声が一番遠くの部屋にまで聞こえていたらしくて。神経が鋭敏になっていたのかもしれないですね」とコメント。その言葉からも、映画の内容のみならず、撮影現場もまた過酷なものであったことがうかがい知れた。(取材・文:壬生智裕)

映画『野火』は全国公開中

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