映画芸術科学アカデミー、オスカー像を10ドルで買い取る
アカデミー賞を主催している映画芸術科学アカデミーが、オークションに出されたオスカー像を裁判の末、10ドル(約1,200円・1ドル120円計算)で買い取った。EW.comが報じている。
アカデミーが今回取り戻したオスカー像は、アートディレクターのジョセフ・ライトさんが『マイ・ギャル・サル(原題) / My Gal Sal』(1942)で受賞したときのもの。ジョセフさんの死後、相続人が2014年6月に同像をオークションに出品し、7万9,200ドル(約950万4,000円)で落札されていた。アカデミーはトロフィーの売却自体は禁じていないものの、相続人側が正規の手続きをせずにオークションに出品したため、同年翌月に提訴に踏み切っていた。
1951年からアカデミーと受賞者の間で取り交わされる契約には、「受賞者はアカデミーにトロフィーの先買権を与える」という事項が存在し、オークションに出品される前にアカデミーは10ドル(約1,200円)でトロフィーを受賞者ならびにその相続人から買い取ることができる。ジョセフさんの受賞後に出来た規則ではあるものの、今回の判決はこの規則を適用する形となった。本案件を担当したアカデミー側の弁護士は、「今回のケースにより、アカデミーはアカデミー賞の尊厳と価値を保つことができました。(オスカー像が)“ただの商品”となることを防ぎました」と声明を発表している。(編集部・井本早紀)