連続少女惨殺事件と町をのみ込む巨大な悪意…スパニッシュミステリーの傑作『マーシュランド』10月公開
連続少女惨殺事件を追う二人の刑事の姿を描いたスパニッシュミステリー『マーシュランド』が10月17日からヒューマントラストシネマ渋谷にて2週間限定公開される。スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞で作品賞・監督賞を含む10部門受賞の快挙を成し遂げた、傑作と名高い作品だ。
独裁政治の爪痕がいまだ残る1980年のスペイン・アンダルシア地方の小さな町を舞台にした本作。死体で発見されたのは祭りの最中に行方不明となった少女2人で、彼女たちは強姦され、凄惨な拷問を受けていた。首都マドリードから左遷されてきた若く血気盛んな刑事ペドロと、ベテランのフアンは、ほどなく過去にも同様の少女失踪事件が起きていることを突き止めるが……。
二人の前に立ちはだかるのは、捜査を進めるうちに明らかになる貧困、差別、汚職、小児性愛、麻薬密売など小さな町にはびこる悪意の数々。スペイン暗黒の時代、その歴史的背景に基づく骨太かつスリリングなストーリーが展開する一方、刑事コンビを演じたラウール・アレバロとハビエル・グティエレスがそろってゴヤ賞主演男優賞にノミネートされるなど(ハビエルは受賞)、刑事たちが繰り広げる熱いドラマも見どころとなっている。アルベルト・ロドリゲス監督がメガホンを取った。(編集部・市川遥)
映画『マーシュランド』は10月17日から10月30日までヒューマントラストシネマ渋谷にて2週間限定公開 特別料金:一般、大・専門生1,300円 リピーター割引あり