もし『トランスフォーマー』出演のインド系アメリカ人が結婚相手を探したら?
映画『トランスフォーマー』に出演したインド系アメリカ人俳優ラヴィ・パテルが、ドキュメンタリーの新作『ミート・ザ・パテルズ(原題) / Meet the Patels』について、ギータ・パテル監督と共に語った。
本作はフィルムメイカーのギータが、白人女性と別れてもうすぐ30歳になる弟ラヴィの結婚相手を両親と共に探すべくインド系アメリカ人のマッチメイキングサイトを調べ始め、さまざまな出来事が巻き起こるというもの。ラヴィは主演兼共同監督も務めた。
ラヴィは製作経緯について「ギータは前作で、PBS(アメリカの公共チャンネル)の戦地が題材のドキュメンタリーを撮影し、新たなカメラを購入してその使用法を学んでいた。一方僕は、両親には一度も伝えなかった白人女性と別れたばかりだった。もしその話をインド人以外の人にしたら両親に伝えないなんてなんて嫌なやつだと思われるが、逆にインド人にこの話をしたらそれは両親には伝えない方が良いと言われてきた。そんな二つの社会がわれわれインド系アメリカ人に存在することが面白いと思ったのが、製作のきっかけだ」と明かした。
ラヴィとギータの両親が面白い。「今作の出演後に僕のマネージャーが、ジュリア・ロバーツの新作の出演用に僕の母をテープで映し、そのテープを送ってみたらどうかと言ったんだ。僕はこれまでずっと俳優でギータも監督だったが、(今作の出演だけで)両親(父親も別の作品オファーがある)は、すでに僕らを超えたレベルにいるよ(笑)。彼ら自身もようやく僕らの時代が来たと喜んでいる」とラヴィが語るように、両親の強烈な個性も今作の魅了の一つ。
インド人の反応についてギータは「ラヴィは気にしていなかったけれど、わたしはインド人のコミュニティーからどんな評価を受けるか神経質になっていた。なぜなら、自分たちのコミュニティーを題材にしたジョークを描くと、その評価はきわどいことがよくあるから。でも今のところ、わたしたちのコミュニティーは気に入ってくれて、(成人した)子供の居る親たちは、自分の息子は今作を観る必要があると言ってくれて、クールだと思ったわ」と満足げに答えた。
映画は、インドの伝統的な慣習と現代のアメリカのはざまで暮らすラヴィが、家族と共に結婚相手を探す過程で成長していくさまが面白い。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)