『マッドマックス』最新作グランプリも監督「カーチェイスしているだけ」 - 国際映画批評家連盟賞
第63回サンセバスチャン国際映画祭(スペイン・バスク地方)が現地時間18日、開幕した。オープニングセレモニーでは、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)の年間グランプリに選ばれた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の授賞式も行われ、ジョージ・ミラー監督に記念の盾が贈られた。
同賞は同連盟に加入している世界各国の批評家の投票によって選ばれるもので、今年は493人が参加。2012年は『愛、アムール』(監督:ミヒャエル・ハネケ)、2013年は『アデル、ブルーは熱い色』(監督:アブデラティフ・ケシシュ)、そして2014年は『6才のボクが、大人になるまで。』(監督:リチャード・リンクレイター)と本賞受賞が後押しとなり、米アカデミー賞でも旋風を巻き起こした力作が選ばれている。
赤のちょうネクタイに革ジャンといういつものファッションで登場したミラー監督は、受け取った盾をうれしそうになでながら「カーチェイスをしているだけのシュールな作品なのに、このような評価をしていただき光栄です。批評家の皆さまに感謝申し上げます」と述べた。
続いて会場では、オープニング作品としてアレハンドロ・アメナーバル監督の『リグレッション(原題) / Regression』が上映された。主演のエマ・ワトソンとイーサン・ホークは新作の撮影のため、スペイン入りできなかったが、ビデオメッセージでコメントを寄せていた。
同映画祭は1953年にスタートした歴史ある映画祭で、スペインでも最大級の規模を誇る。今年は日本からコンペティション部門に細田守監督の『バケモノの子』が選出されているほか、招待作品で是枝裕和監督の『海街diary』、子供映画部門で『STAND BY ME ドラえもん』、キュリナリー(料理)部門で『リトル・フォレスト 冬・春』、アメリカ・ロサンゼルス在住の小西未来監督による日本酒ドキュメンタリー『カンパイ! フォー・ザ・ラブ・オブ・サケ(原題) / KAMPAI! For the Love of sake』、日系アメリカ人エリック・シライ監督の『ザ・バース・オブ・サケ(原題) / The Birth of Sake』が上映される。
さらに「ニュー・ジャパニーズ・インディペンデント・シネマ」と題して、2000年から2015年に製作された自主映画35本を紹介する特集上映も行われるなど、大々的に日本をフィーチャーしたラインナップとなっている。同映画祭は26日(現地時間)まで開催。(取材・文:中山治美)