吉高由里子、初舞台で演出家に愛のダメ出し
8日、都内にて舞台「大逆走」の記者会見が行われ、女優の吉高由里子は舞台初出演ながらも、演出家の赤堀雅秋にダメ出しするという一幕があった。この日は、共演の北村一輝、大倉孝二、池田成志、峯村リエ、趣里、濱田マリ、大鷹明良、秋山菜津子も同席した。
「大逆走」は、『その夜の侍』で映画監督デビューを果たし、新藤兼人賞金賞を受賞したこともある赤堀監督の新作舞台で、大人になりきれないダメ中年男たちと不思議な魅力を持った女たちの、ある夜の逃走劇をダイナミックに描いた喜劇作品。
赤堀の演出に対して吉高は「比喩で例えることが多くて、ダイレクトな演出じゃなかったんです。だから、ちょっと最初の頃は……」と途中で口ごもり、赤堀が「ストレートに言ってよ」と突っ込むと「演出する言葉のチョイスがブサイクだなと思いました。『何でその言葉をチョイスするのかな』って」と続け、会場は大爆笑。しかし一方で「でも温かい人柄だと知っているから思っちゃう言葉です。知らない人だったら言わないですよ」としっかりフォローし、仲の良さを見せていた。
吉高は本作の初日を明日に控え、「不安でいっぱいです、(舞台に立っても)何も見えなくて、怖いなって実感しています」と吐露。不安をのぞかせるものの「役がわからなくなったらどうしようとか思っていたけど、稽古場に行ったらすごく楽しくて、稽古場に行きたくないと思わなかったんです。素敵な方に恵まれたし、初舞台がここで私は本当に恵まれていると思いました」と実りの多い経験となっている様子をコメントし、初日に向けてのメッセージとして「皆さんお手柔らかにお願いします」とそこだけなぜか真顔で語り、笑いを呼んでいた。
一方の赤堀は、「どういうお客さんの反応になるのかわかりませんが、自分なりに演劇を20年続け、その醍醐味を頑張って追究した結果、テレビや映画にはない醍醐味を味わっていただきたいと切に思っています」と作品に懸ける思いを語った。(取材・文:桂伸也)
舞台「大逆走」は東京・Bunkamura シアターコクーンで10月9日~10月25日に上演、大阪・森ノ宮ピロティホールで10月29日~11月1日に上映