女優・田村梨果って誰?正体はあのモノマネ芸人だった!
『ギャラクシー街道』インタビュー
香取慎吾、綾瀬はるかをはじめ豪華キャストが集結した三谷幸喜監督の最新作『ギャラクシー街道』でただ一人、田村梨果という見慣れない女優の名前が……。その正体はなんと、宇多田ヒカルなどのモノマネでおなじみの芸人・ミラクルひかるだった。もともと彼女のファンだった三谷監督が、ラジオ番組で共演していた清水ミチコ経由で「メル友になってください」とオファーしたことから始まったという二人の関係について、ミラクルが語った。
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「三谷さんはわたしの誕生日会にサラッと顔を出して、モノマネ芸人だからオウムということで、木彫りのオウムの置物をつがいでプレゼントしてくださったんです。すごく愛情を感じました」と語るミラクルは、実は高校時代から三谷監督のエッセイを読んできたという筋金入りの三谷幸喜ファン。つまり、二人は相思相愛だったのだ。
宇宙一のテクニックを持つといわれているスペースコールガールのイルマ役で出演するにあたり、ミラクルは三谷監督に「演技力ははっきり言って暗黒ですよ」と先制攻撃を仕掛けたという。すると三谷監督に「田村(ミラクル)さんならできます! 宇多田ヒカルや笠置シヅ子のモノマネもできるじゃないですか! 演技も同じことですよ!」と言いくるめられた。
とはいえやはり、モノマネと芝居は勝手が違ったという。「モノマネはその人をじーっと見て研究するんですけど、台本に書かれた架空の人物を演じると動きや声に自分の要素が入ってくるから違和感があって気持ちが悪かった」とミラクルは壁にぶち当たる。そこで三谷が「ではもう一つキャラクターを付けましょう。フィリピンパブっぽくお願いします」とアドバイスをすると、一気にイメージが湧き、キャラクターをつかむことができたという。
今回、本名の田村梨果名義で出演したのは、三谷監督から「本名で出ていただきたい」との申し入れがあったからだそうだ。「わたしも普段の仕事と差別化といいますか、演技は素人ですからどこの誰だかわからない状態で出させてもらった方がいいと思ったんです。今後はこの名前で女優業を……なんて偉そうなことはまったく思っていません」とミラクルは冷静だ。しかし、三谷監督は「もしも他から声が掛かったら僕に相談してください。僕がちゃんと選びますので」と宣言しているという。ミラクル&三谷の蜜月はこれからも続きそうだ。(取材・文:須永貴子)
映画『ギャラクシー街道』は10月24日より全国公開