西島秀俊、“心の師匠”ビートたけしとの共演は「一番の宝もの」
第28回東京国際映画祭
俳優の西島秀俊とビートたけしが27日、都内で開催中の第28回東京国際映画祭内で行われた『劇場版 MOZU』ワールドプレミアに出席。かつてたけしとは、『Dolls ドールズ』(2002)で俳優と監督の立場で現場を共にしたことはあったものの、俳優同士としては初共演となった西島は、「俳優人生の中で一番の宝もの」と感慨深げにコメント。たけしの方は、「不義理なやつ」と西島を突き放すジョーク交じりの発言で周囲の笑いを誘った。
本作は逢坂剛のベストセラー小説を原作にしたテレビドラマの劇場版。妻の死の真相を追い求める公安警察官・倉木(西島)の目前で2つの大規模テロが発生。事件の背後に存在する謎の人物、ダルマ(ビートたけし)と倉木の対決を描く。この日は香川照之、真木よう子、池松壮亮、杉咲花、伊勢谷友介、松坂桃李ら主要キャストと、メガホンを取った羽住英一郎監督も出席した。
この日たけしは、開口一番「どうもこんばんは、福山雅治です」とたけし節全開であいさつ。本作では、「日本犯罪史の闇」と称されるインパクトの強い悪役“ダルマ”を演じており、「恐い、偉いやつの役だと聞いて、お金くれるならやるよって言いました。インパクトでいったらやっぱり、北島三郎さんのほうが上だけど」とご機嫌な様子で語った。
一方の西島は、たけしを前に恐縮気味。初共演について問われると「たけしさんは僕を見出してくださった恩人。勝手に思っているだけですが、僕の中では心の師匠。そのたけしさんと俳優として対峙(たいじ)できたことは、俳優人生の中で一番の宝ものでした」としみじみ。その言葉に、「『Dolls』から13年ですか? あの時から着実に実力も人気も上がった」と西島を持ち上げたたけしだったが、その後は一転。「なのに、わたしには一銭もよこさない。不義理なやつだと思います」と突き放して西島を苦笑いさせた。
さらにたけしは、映画について「これを観ると元旦の明治神宮よりご利益があります。(映画を)一緒に観た友達のガンが治りました!」などとまくし立て、写真撮影では、おなじみ「コマネチ」のポーズまで披露。ちゃめっ気たっぷりのトークで終始会場を盛り上げた。(取材・文:名鹿祥史)
『劇場版 MOZU』は11月7日より全国東宝系で公開