なぜ渋谷だったのか!細田守監督『バケモノの子』裏話
第28回東京国際映画祭
細田守監督が27日、第28回東京国際映画祭「Japan Now」部門の特集上映『バケモノの子』のQ&Aセッションに登壇。ストーリーの舞台を渋谷にした理由など、同作のエピソードを語った。
大ヒット作!『バケモノの子』の裏話を語った細田守監督フォトギャラリー
本作は、細田監督の劇場向け映画作品の4作目にあたり、人間とバケモノが存在するパラレルワールドを舞台に、少年とバケモノの交流を描いた作品。役所広司、宮崎あおい、染谷将太、広瀬すずら人気俳優が声優として出演している。
ストーリーの舞台として渋谷を選んだことについて監督は「いろんな街の中で、渋谷が一番“もう一つの街”をはらんでいる気がするんです。道が人工的じゃないし、80年代の開発の際には地中海的でおしゃれな雰囲気もあったし」と述べ、「ストーリーで描かれる重点的な街は、地中海っぽく白地に黄色とか青になっているんですが、それはPARCOのせいなんですよ」と裏話を明かした。
また、人間とバケモノという二つの世界を行き来するストーリーに関しては「(例えば)家族の問題って、僕らの小さい頃にあったものは小さ過ぎて映画のネタにもならないと思ったけれど、だんだんそうでもなくなってきている。昔と今の二つの世界の軋轢(あつれき)って、今の方が感じるんじゃないか? というところを考えて作っているところもあります」と制作中に自身の考えていたことを語った。
バケモノのコンセプトに対しては「人間が思っているバケモノというものは、本当はどういうものなのか? という意図がある。(単に外見が)『バケモノ的』っていう人は案外バケモノ的ではないのではないか? というところが、この映画からは読み取れるのではと思います」とコメントしていた。(取材・文:桂伸也)
第28回東京国際映画祭は10月31日まで六本木ヒルズ、新宿バルト9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿ほかにて開催中