『インサイド・ヘッド』DVD発売で、ビンボン役のリチャード・カインドが振り返る!
大ヒット映画『インサイド・ヘッド』でビンボン役を務めた俳優リチャード・カインドが、ブルーレイ・DVDの発売を記念して同作について語った。
本作は、田舎町から都会サンフランシスコへ引っ越した11歳の少女ライリーの頭の中を舞台に、「ヨロコビ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」「カナシミ」という五つの感情が、新しい環境に慣れようとするライリーを幸せにするためぶつかり合いながらも奮闘するというストーリー。映画『カールじいさんの空飛ぶ家』のピート・ドクターがメガホンを取った。
出演経緯について「実は僕に直接出演依頼があった。通常アニメ映画は、声優はまずオーディションに参加するが、脚本を執筆したピート・ドクターらは、僕をビンボン役として念頭に置いていた。ただ実際の録音では、もし僕の声が彼らの望んでいたものとは違っていたらと不安にもなった。最初のテイクで、ピート・ドクターを含めたみんなが笑ってくれて、ようやく全てが始まった気がした」と振り返った。
声優として注意した点は「スタジオに2人以上の声優が居て録音している際には、1人の声優がセリフを言っているときに、それに反応した『うん、うん』というような言葉でさえも、セリフに重ねて話すことはできない。その他にピートに指示を出されながらの録音でも、監督の言葉に合わせてセリフは言えない。だが、ヨロコビを演じたエイミー・ポーラーとは一つのセッションだけ、お互いの声を重ねて試したシーンがあった。そのセッションでは、どの箇所をピートたちが使うかわからなかったが、それが唯一、僕らが声を重ねたシーンだった」と明かした。
観客の反応について「子供のことより大人のことを聞いてくれ(笑)! 大人の中にも僕に駆け寄ってきて泣いた人がいたんだ。映画内で、僕の演じたビンボンが自分を犠牲にしてヨロコビを助けるシーンがあって、それはライリーへのビンボンの純粋な犠牲でもあって、感情を持った人ならば、そこに共感してもらえるだろう。子供はビンボンに対しては、喜びをもたらし、悪意を持たないキャラクターとして反応をしてはくれたが、大人ほど強い反応を示してはいなかったと思う。特にこのビンボンが自分を犠牲にしたシーンでは、大人の反応の方が良かった」と意外な答えが返ってきた。
ブルーレイ・DVDには、ライリーの初デートのシーンを含めた特典映像が含まれている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)