『あぶない刑事』名コンビとの共演は生涯の自慢!悪役・夕輝壽太が語る奇跡のような時間
シリーズ最終章となる劇場版『さらば あぶない刑事』で舘ひろしと柴田恭兵が演じる伝説の刑事コンビ、タカとユージを窮地に追い込む中南米の極悪マフィア、ディーノ。この役を自ら猛アピールして勝ち取り、初の悪役、そして『あぶない刑事』完結作というプレッシャーをはねのけ、役者としての成長を遂げた夕輝壽太が、名コンビをはじめとする先輩たちとの奇跡のような共演を振り返った。
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テレビ初放送から30年、前作の劇場版『まだまだあぶない刑事』公開から約10年、ついにシリーズの完結を迎える本作は、舘、柴田、仲村トオル、浅野温子らおなじみのメンバーに加え、夕輝が演じるディーノのボス役で吉川晃司も出演。定年目前のタカとユージが、日本進出をもくろむ中南米の犯罪組織を相手に壮絶な戦いを繰り広げる。
撮影まで約1か月半の準備期間の中で、夕輝は役づくりに必要なことは可能な限りトライした。「映画に登場する犯罪組織は、アメリカの巨大ギャング団『マラ・サルバトルチャ』がモデルになっているので、動画サイトなどで徹底的に研究しました」。さらに、肌を焼き、体を鍛え、スキンヘッドと刺青で外見を近づけ、スペイン語も猛勉強。「ボス役の吉川さんと一緒にスペイン語を学ぶため、何度も事務所にお邪魔させていただいたんですが、さりげない心遣いでフランクに接してくださったので緊張することがなかった」と厚い信頼関係が築けたことを明かした。
ところが試練はクランクインの日にやって来る。「撮影初日に『ディーノがタカとユージの取り調べを受けるシーンから撮る』と聞かされたときは、『え、いきなり?』って思いました。もう緊張を通り越して体が熱くなっていた」と苦笑い。それを察した舘と柴田から絶妙なタイミングで声を掛けられたという夕輝は、「舘さんは笑顔で『好きなようにやりな』と言ってくださって、柴田さんも『ちょっと読み合わせやらない?』と呼び掛けてくださって。二人のフォローのおかげで緊張もやわらぎ、思いっきり柴田さんにつかみ掛かることができました」と感謝しきり。
ただ、二人のアドリブには驚きの連続だったようで、「取り調べのシーンでも、柴田さんがいきなり『カトちゃん、ペッ』とかやり出して。そのほかにもアドリブは随所にありましたが、ただただびっくりするばかり。でも、楽しそうに演じているお二人の姿を見ていたら、なんだか面白くなってきて」と思わず笑みがこぼれる。
初の悪役でタカとユージを追い詰めるという使命を担い、見事にその大役を鬼気迫る演技で全うした夕輝。「伝説的なお二人と奇跡的に共演できたことは、生涯自慢できること。この作品のおかげで役者としての幅も広がり、これを機に、さらに自分の演技に磨きをかけていきたい」と最後は力強く決意を語っていた。(取材・文:坂田正樹)
映画『さらば あぶない刑事』は1月30日より全国公開