唐沢寿明、冗談封印!渾身作『杉原千畝』への思い
俳優の唐沢寿明が5日、都内で行われた映画『杉原千畝 スギハラチウネ』初日舞台あいさつに小雪、小日向文世、塚本高史、チェリン・グラック監督と共に登壇した。この日は劇中の主人公・杉原千畝から実際にビザを発行され、戦火を逃れたシルビア・スモーラーさんが緊急来日。本作への熱い思いを語ると、唐沢は「お元気でいられるのは良かった。改めて杉原さんはすごい人だなって実感しました」としんみりとした表情を浮かべていた。
【写真】唐沢寿明、小雪らが杉原千畝に救われた生き証人と対面!
本作は、第2次世界大戦中、赴任地リトアニアにてユダヤ難民にビザを発給し、6,000人の命を救ったと言われている外交官・杉原千畝の半生を描いた物語。杉原に命を救われた“スギハラサバイバー”の一人であるシルビアさんは、ビザ発行後、福井県敦賀市を経由し、アメリカに亡命。その後、医学博士となり、当時の生き証人として杉原の功績を世に伝えている。
シルビアさんは「日本に戻ってこられて心からうれしい。杉原さんはわたしたち家族を救ってくれた恩人です」と語ると「杉原さんの多面性をもった感情や敏感なところなど、すごく良く表現されていました。素晴らしい映画です」と唐沢の演技を絶賛した。
そんなシルビアさんの感想に「ありがたいですね」と破顔した唐沢。普段から陽気で、周囲を盛り上げる明るいイメージだが、本作では冗談を封印したという。唐沢と対峙するシーンが多かった小日向は「普段は明るく冗談を言う方なのに、この現場では静かで、千畝という役に入り込んでいた」と証言すると、小雪も「本当に役に入り込んでいて、冗談一つ言わなかったんです」と追随。
共演者からの暴露に唐沢は「そんなことないですよ」と舞台あいさつでは冗談を言いつつ、小雪や塚本、小日向に突っ込みを入れていたが「(杉原千畝という人は)ヒントが少ない方で、どういう人か分からなかった。こうして無事初日を迎えられてホッとしています」と実在の人物を演じ切ったことへの安堵と、苦労した胸の内を明かしていた。(磯部正和)
映画『杉原千畝 スギハラチウネ』は全国東宝系にて公開中