シルヴェスター・スタローン、自分もいつかは死ぬ…病と闘うロッキーを演じて自覚
『ロッキー』シリーズの新章『クリード チャンプを継ぐ男』で再びロッキー役に挑んだシルヴェスター・スタローン。先日発表されたナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で助演男優賞を獲得するなど、現在、その演技が高い評価を得ているスタローンが、米フィラデルフィアで行われた会見で本作について語った。
【動画】病に倒れるロッキー!『クリード チャンプを継ぐ男』予告編
『フルートベール駅で』のライアン・クーグラー監督がメガホンを取り、アーロン・コヴィントンと共同脚本を手掛けた本作。リングに散った親友アポロの息子アドニスをボクサーとして育てるロッキーを演じたスタローンは、過去のシリーズと違い、脚本には一切絡まず、俳優としての仕事に専念した。撮影にあたり、監督たちにロッキーの人物像や立ち振る舞いを伝えたというが、「後は、全部があるべき場所に収まったと思う。良い脚本になったと思うんだ」と太鼓判を押す。
そんな本作では、これまでどんなに打ちのめされても立ち上がってきたロッキーを病魔が襲う。投薬治療によって、ほとんど髪の毛が抜け落ちたロッキーの姿は実に衝撃的だ。スタローン自身も「現場でメイク用のイスに座り、1時間半後に目を開けた時に見たロッキーの病んだ姿に、とても感じ入るものがあったんだ。メイクではあるけれども、こういう状況を毎日のように経験している人たちがいることを実感できたからね」と撮影を振り返る。
病に苦しむ人たちのためにも、多大な責任を胸に役に挑んだというスタローンは、撮影を通じて死を意識したか尋ねられると、「自分の命にも限りがあることに気付き、はっとさせられた」と告白。「ある日、突然ひっくり返るコインのように健康が奪われてしまうかもしないことを気付かせてくれた。目が覚める思いだったよ。自分がいつかは死ぬ運命であるということを自覚させられたからね」とつぶやく。
もちろん、スタローン自身はまだまだ死ぬつもりはないようで、「だから、この会見が終わったらすぐに、自殺するつもりだよ」とジョーク交じりに回答。「僕がこれまでの人生で受けた最も落ち込むような質問だったな」と笑顔を見せた。(編集部・入倉功一)
映画『クリード チャンプを継ぐ男』は12月23日より全国公開