ビル・マーレイ「鷹が陸に着いた」とソフィア・コッポラ監督に到着の連絡
映画『ロスト・イン・トランスレーション』のソフィア・コッポラ監督が、ビル・マーレイと再タッグを組んだNetflixの特別番組「ビル・マーレイ・クリスマス」(12月4日より配信スタート)について語った。
本作は、ビルが司会をするクリスマス特別番組の放送日に大雪が降り、ゲストが無事到着するか危ぶまれるが、やがて駆け付けたゲストたちと歌やダンスを楽しむさまが描かれる。脚本はソフィア・コッポラ監督とビル、映画『大いなる遺産』のミッチ・グレイザーが共同執筆した。キャストとして、ジョージ・クルーニー、エイミー・ポーラー、クリス・ロックなどが出演している。
今作を手掛けたのは「ある時、ビルの友人ミッチに、ビルの出演映画の歌うシーンが好きと話すと、ミッチはちょうど彼と共にテレビの特別番組を企画していると教えてくれたの。まだその時はクリスマスの番組とは決まっていなくて、バレンタインデーのアイデアもあったけれど、いつしかクリスマスの特別番組と、われわれが好きな俳優や歌手をミュージカルゲストとして招待する設定に決まったの。でもそれは言い訳で、単にわたしが、ビルが歌うシーンを見たかっただけ(笑)」と答え、予告編でビルがトナカイの角をかぶっているのは「わたしはタキシードを用意したけれど、彼があの格好のまま登場したの」と笑顔で明かした。
ハリウッドでは、ビルをキャスティングすることが困難なのは有名だ。「彼はミステリアスな人物で、確かにつかまえにくいけれど、それが彼の魅力の一つだと思っている。実は『ロスト・イン・トランスレーション』では、約1年かけて彼の行方を捜して出演依頼をし、あの時は根気強さが勝った。でも東京の撮影だったため、彼が現場に来るまで不安で、ようやく彼が『鷹が陸に着いた』とメッセージをくれて安心した」と振り返った。
クリスマス番組を作ることについて「今作のプロダクションデザインのアン・ロスとは、カーペンターズ、さらにディーン・マーティンやビング・クロスビーなどが行った昔のクリスマス番組を鑑賞した。その中では、デヴィッド・ボウイやビング・クロスビーが歌っていて、この番組もそんな自由な演出にしたかった。クリスマスの特別番組が大雪の降った日に行われる設定はビルが考え、わたしは、一度は大雪でホリデーシーズンに対する失望があったけれど、その後人々が集まり、どこか温かい人々の誠実な精神を描きたかったの」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)