『orange-オレンジ-』土屋太鳳が、山崎賢人を救った一言とは?
人気コミックの実写化映画『orange-オレンジ-』でNHKの連続テレビ小説「まれ」に続く共演を果たした土屋太鳳と山崎賢人が、役作りで苦労したことや、山崎が土屋に助けてもらったことなど、撮影時のウラ話を語った。
高野苺の人気コミックを実写化した本作は、10年後の自分から手紙が届いた女子校生の菜穂(土屋)が、悲しい未来を変えるべく奔走する物語。「まれ」で夫婦を演じた土屋と山崎が同級生役に挑戦した、恋愛あり、友情ありのハートフルな物語だ。
ヒロイン役に抜擢されたとき、「どうしたら原作の菜穂のように女の子らしくできるのか?」と悩んだ土屋は、「わたし、バレエを習っていたからかガニマタ気味なので、今回は内股で歩くように努力しました。あと、陸上をやっていたので、走るときにフォームが出ないようにしました。出てしまうと菜穂じゃなくなってしまうんです」と恥ずかしそうに告白。声の出し方やしゃべり方のみならず、歩き方・走り方まで女らしく変えて撮影に臨んだという。
一方、心に傷を負ったナイーブな少年・翔を演じた山崎も、「役作りでは悩むこともありました。正直、やり切れなかったところもあるけど、そこも込みで今の自分なんだと思います」と素直な気持ちを吐露。さらに、「重くてシリアスなシーンの撮影前は、自分もズドンって落ち込んだりして、大変だったんです」と打ち明ける。そんな山崎の心を軽くしてくれたのが、土屋の「気が重くなるシーンをやるときは、ぎりぎりまで笑っていよう」というアドバイスだったそうだ。
「その言葉がすごく新鮮で、太鳳ちゃんに助けてもらいました」と感謝の気持ちを示す山崎。すると土屋が、「わたし、この作品で『どんな感情も愛から生まれているのではないか』って気づいたんです。それこそ、怒りも憎しみも悲しみも。だから心が重くなるシーンも、その前に楽しかったときの感情を思い出して『あのときがあるからこそ今がある』という風に考えたらいいのかなと思って」とアドバイスの真意を語る。すると山崎も、「そうだね。愛していないと怒らないし、悲しくもならない」としみじみつぶやいた。
本作で再タッグを果たした「まれ」の名コンビは、愛すればこそ生まれるさまざまな感情を、スクリーンにリアルに焼き付けたようだ。(山崎の「崎」は「たつさき」)(取材・文:斉藤由紀子)