『スター・ウォーズ』J・J・エイブラムス監督、『フォースの覚醒』は“オイシイ”話だった!描くのは希望の物語!
世界でも一握りの監督しか務めることのできない『スター・ウォーズ』の新作を手掛ける大役を務め上げ、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(12月18日公開)を完成させたJ・J・エイブラムス。公開まで数日に迫った、シリーズの新たな幕開けを飾る本作について思いを語った。
ルーカスフィルム代表で、本作のプロデューサーを務めるキャスリーン・ケネディから監督オファーを受けた当初は「断る理由が数えきれないほどあった」というエイブラムス監督。しかし、実際にキャスリーンとストーリーについて話し合うと意識が一変。「ミーティングから帰るころには、何て魅力的で“オイシイ”話なんだと思い、何とかこの作品の一部になりたいと考えていたんだ」と振り返る。
『フォースの覚醒』では、ジョージ・ルーカスが生み出した『スター・ウォーズ』旧3部作から30年後の物語がつづられる。「過去に戻らなければ、前進はできないと思っている」という監督は、本作について「新しい物語ではあるけれど、これまでの『スター・ウォーズ』シリーズがそうであったように、光と闇、善対悪といったことについて描いた作品であり、権力をもった人間ではなく、どちらかというと負け犬とされるような人たちが自分を見出していく、希望の持てる物語になっているんだ」と明かす。
初めて『スター・ウォーズ』を観たのは、誕生日を約1か月後に控えた10歳のころ。「自分が何に興味をもっていて、どんな世界に入り込んでいくのか。その結晶が作られる時期に出会ったんだ。すでに映画には興味を持っていたから、素晴らしい贈り物をもらった気分だった」という監督は、そんな思い入れの深いシリーズに向き合ううえで「現代の映画だと感じられると同時に、かつての懐かしい世界に戻ったようにも感じる。(オリジナルの)マネをするわけでも、完全に新しいものを作ろうというのでもない。その両方のバランスをとることが、かなり重要だった」と語った。
そんな監督がリスペクトを捧げたのはルーカスの仕事だけではない。「『スター・ウォーズ』の成功には、マットペイントやオプチカルエフェクト、カメラワーク、デザインといった細かい要素も貢献をしている」と分析する監督は、「例えば今回は、美術監督のマーク・ハリスが、ミレニアム・ファルコンを再現する際、旧3部作のデザイナーであるハリー・ラングやラルフ・マッカリーの生み出したものを大事にしたうえで、多大な貢献をしてくれた」と証言。「だからこの映画は、これまでのシリーズにかかわったさまざまなアーティストたちを祝福する作品でもあるんだ」と穏やかな笑みを浮かべた。(編集部・入倉功一)
映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12月18日18時30分より全国一斉公開