松坂桃李、まさかのクマ役を振り返る!
世界中で愛される紳士なクマが主人公の児童小説を実写映画化した『パディントン』で、日本語吹き替えを担当した松坂桃李。“クマ”のアフレコに苦労しながらも、すっかり心をわしづかみされたという作品の魅力を語った。
マイケル・ボンドのロングセラー小説をベースに、英国・ロンドンに憧れてペルーからやって来たクマが“パディントン”と名付けられて冒険を繰り広げる物語。「“パディントン”と言われても、絵で見たぐらいの印象しかなかったから、その声も全く想像がつかなかった」と振り返る松坂。その後、脚本とオリジナル版を観たことで「世界観やテンションをつかみ、キャラクターは高校を卒業したばかりの男の子が田舎から上京したようなイメージを膨らませた」と明かす。
低音のソフトボイスに定評のある松坂だが、今回はパディントンの声を務めるために通常の声から1トーンから2トーン上げている。「だから、どんなに頑張っても、1日に4時間ぐらいが限界でした。しかも、クマの口の動きに合わせて日本語をしゃべるのが難しかった。今までアフレコした中で一番、難しかったかも。ただパディントンの映像を観ていると、そのかわいさに難しさも忘れるぐらい癒やされる。本当にかわいくて、ずっと見守っていたくなるぐらいでした」とすっかりパディントンにメロメロだ。
インタビューの撮影中には、「今日の服は、パディントンを意識した色で決めてみました」とちゃめっ気をのぞかせる松坂。映画のキャッチフレーズである「ちょっと野生で、とっても紳士!?」というパディントンとの共通点について、「人を怒らせないようにする感じがちょっと似ているかも。お風呂のシーンで大トラブルを引き起こすんですけど、『あー、大丈夫です』『何でもないですぅー』と自分で何とかしようとする。僕自身にもそんなところがあります。それで、一人で焦っちゃう」と自己分析してみせた。
2015年は、『日本のいちばん長い日』『劇場版 MOZU』など話題作への出演が続き、「見たことがない景色を垣間見た」という松坂。さまざまな監督たちから声がかかり、2016年も新たな挑戦が待っている売れっ子だ。なるほど、「自分で何とかしようとする」パディントンと似ているかもしれない。(取材・文:前田かおり)
映画『パディントン』は1月15日より全国公開