広末涼子、キュウリを切ることしかできなかった過去に苦笑
映画『はなちゃんのみそ汁』で、がんにより33歳の若さで亡くなった安武千恵さんを演じた広末涼子。劇中、幼い娘・はなちゃんに厳しくみそ汁の作り方を伝授している広末だが、高校生になるまでキュウリを切ることしかできない料理未経験者だった過去を明かした。
本作は同名エッセイの映画化。余命わずかな母親が残していく家族のために食の大切さを伝えようと、幼い娘にみそ汁の作り方を教え、小さなはなちゃんが懸命にそれに応えようとする姿が多くの感動を呼び、テレビの情報番組で続々と取り上げられ、テレビドラマ化もされるなど社会現象になった。
今回の映画化にあたり、千恵さんの夫であるエッセイの著者・安武信吾氏と娘のはなちゃんは広末のキャスティングに大喜びしたそう。「命がけで演じたい」という思いで撮影に臨んだ広末は、「千恵さんと自分が同化していたので、感情を作ったり、気持ちを積み上げたりするようなことは全くせずに、現場にいることができました」と語る。
「食べることは生きること」がテーマである本作は、食べるだけでなく作るシーンも重要。「ジャンルを限らず、何でも作る」という広末は持ち前の料理上手な面を発揮し、劇中では実に手際よく調理する姿を披露している。
そんな彼女に初めて作った料理を聞いてみたところ、「お料理ではありませんが、キュウリを切るのが好きでした。母がキュウリを素早く切るのを見て、お料理上手に見えたのでしょう。それだけを練習して、高校生になるまで、それしかできませんでした」という意外な回答が返ってきた。
「ハンバーグ、カレー、オムライス……子供から大人まで好きな洋食が得意ですね」と語る今となっては考えられないが、「楽しんで料理することが、千恵さんたちのようなあったかい家庭作りへの第一歩」と最後は料理上級者らしい余裕の笑顔で締めくくった。(取材・文:高山亜紀)
映画『はなちゃんのみそ汁』はテアトル新宿&福岡県内先行公開中、1月9日より全国拡大公開