エミール・クストリッツァ特集上映、東京と大阪で開催!代表作6本そろう
第48回カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『アンダーグラウンド』などで知られる旧ユーゴスラビア・サラエボ出身のエミール・クストリッツァ監督の代表作6本を上映する特集企画が、1月から2月にかけて東京と大阪で開催される。
クストリッツァ監督は、『ドゥー・ユー・リメンバー・ドリー・ベル?(原題) / DO YOU REMEMBER DOLLY BELL?』(1981)で長編第1作にして第38回ベネチア国際映画祭新人監督賞を受賞。第2作の『パパは、出張中!』(1985)で第38回カンヌ国際映画祭パルムドールを獲得するなど、カンヌ、ベネチア、ベルリンの三大映画祭を制覇した鬼才だ。
ヨーロッパ中を放浪したジプシーの青年の成長を捉え、第42回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した一大叙事詩『ジプシーのとき』(1989)、ジョニー・デップ&フェイ・ダナウェイの二大スターを主演に迎え失われゆくアメリカン・ドリームを郷愁を漂わせて描いた第43回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作『アリゾナ・ドリーム』(1992)、若者と父、祖父の3世代の物語をユーモラスに描いた第55回ベネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作『黒猫・白猫』(1998)など、映画祭で高い評価を得た名作を一挙上映。とりわけ、クストリッツァ監督が祖国旧ユーゴスラビアの50年にわたる悲劇的な歴史を、ブラックな語り口でファンタジックに紡ぎ上げた『アンダーグラウンド』のスケール感は、スクリーンで観てこそ伝わるというもの。
クストリッツァ監督が、自身の息子ストリボールがドラムを担当するバンド「ノー・スモーキング・オーケストラ」に合流し、ヨーロッパツアーに出る模様を追ったドキュメンタリー『SUPER 8』(2001)も必見。ジプシー音楽、ロック、スカ、行進曲など異なるジャンルを融合した“ウンザ・ウンザ”と呼ばれる音楽の魅力を堪能できるほか、ジョー・ストラマーのゲスト出演も見ものだ。彼らの音楽が彩るコメディー『ライフ・イズ・ミラクル』(2004)では、妻に駆け落ちされ息子を軍に徴兵された不幸続きの鉄道技師と、魅惑的な捕虜交換要員との恋がユーモラスに展開する。(編集部・石井百合子)
特集上映「ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!」は、1月23日~2月12日まで YEBISU GARDEN CINEMA (東京)にて、1月30日~2月12日までシネマート心斎橋(大阪)ほか順次開催