ソ連に撃墜された米パイロットの実の息子、事件描いたスピルバーグ映画に出演していた!
1960年に発生した “U-2撃墜事件”でソ連側に撃ち墜とされたアメリカ人パイロット、フランシス・ゲイリー・パワーズさんの息子が、同事件の裏側に迫った映画『ブリッジ・オブ・スパイ』にカメオ出演していることが明らかになった。
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同作は、冷戦時代の1960年、米CIAがソ連領空においてスパイ飛行をさせていた高高度偵察機が撃墜され、パイロットが捕獲された「U-2撃墜事件」を、スティーヴン・スピルバーグ監督が、トム・ハンクスを主演に迎えて映画化。弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム)が、ソ連のスパイ、ルドルフ(マーク・ライランス)の弁護を引き受けたことで、同事件で捕らわれたアメリカ人パイロット(オースティン・ストウェル)とソ連側スパイの交換交渉を任される。
実際にソ連側に捕らえられたパワーズさんは撃墜後、ソ連で拘留され、モスクワで行われた公開裁判で判決を受けた。1977年に亡くなったパワーズさんの息子であるフランシス・ゲイリー・パワーズJr.さんは撃墜事件について父親から直接聞いており、「この映画は父から聞いた話そのものだ」と感じたという。
そんなパワーズJr.さんは、民間ジェット機の2倍の高度を飛行し、ソビエトのレーダーに探知されないU-2偵察機のパイロットの訓練に関わるCIA捜査官として出演している。パワーズJr.さんは「父親役と格納庫から一緒に出てくる役で、家族としてのつながりができた」と貴重な体験だったことを明かしている。
そんな粋な演出を行ったスピルバーグ監督はこの映画でトムと4回目のタッグを組んでおり、脚本はマット・シャルマン、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が担当している。(編集部・海江田宗)
映画『ブリッジ・オブ・スパイ』は2016年1月8日より全国公開