同性との挙式が話題となった一ノ瀬文香、「渋谷区でも婚姻はできない」と社会の理解を訴えかける
女性同士で挙式したことが話題となったタレントの一ノ瀬文香が9日、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた映画『新宿ミッドナイトベイビー』初日舞台あいさつに来場、同性婚について理解を訴えかけた。この日は久保田秀敏、ナミねぇ(竹中ナミ)、紫蘭まき、矢吹春奈、西村一輝、珪吾、内山麿我、原作・監督を務めた寺西一浩も来場した。
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寺西の同名著書を、自身のメガホンで映画化した本作。日本初の同性同士の結婚式を行うべく奔走するカップルの姿を通し、愛や法律について問いかける内容となっている。日本では珍しい同性婚をテーマとしたということもあり、この日は、同性婚が話題を集めた一ノ瀬がゲストに来場。「去年の4月にミュージカル女優と結婚式をしました。結婚式を機に婚姻もしたいと思ったんですが、婚姻届は受理されませんでした。よく渋谷区に住むと婚姻できると勘違いされている方も多いんですが、今、日本では渋谷区でもどこでも婚姻することはできません。わたしたちや、この作品の主人公たちのように、自然と惹かれあったカップルも愛が保証されるような世の中になることを祈っています」と会場に呼びかけた。
中島知子、内山麿我など個性派が多数出演する本作だが、「新宿ミッドナイトベイビー」と呼ばれる秘密パーティーを主催するタロット占い師・悠木レミ役として、映画初出演となる浜田ブリトニーも出演している。「皆さん、あけおめです! 初めての映画出演だったんですが、謎の組織の怪しい占い師というウケる役だったんで、引き受けちゃいましたけど、テーマはまじめな同性愛。ストーリーも魅力的。とてもすてきな内容になっていまーす!」と観客に呼びかけた。
一方、アキラの妹役として出演する矢吹は「撮影現場ではハプニングもあって。ある役者さんが途中で帰ってしまったりして。本来、撮ろうと思っていたシーンが撮れなくなってしまったことがあったんです。でも監督が頭を悩ませて考えた結果、急きょ別のエンディングに変わったという裏エピソードがあります」と明かすと、寺西監督も含みを持たせながら「まあね……。いろいろあるからね……」と苦笑いしつつも、「でもその時、矢吹さんと久保田君が助けてくれた。日本ではあまりないですが、中国や香港だと脚本は当日配られるんで、内容が変わることはしょっちゅう。二人は海外でも活躍できますよ」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『新宿ミッドナイトベイビー』はヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中