トヨエツ&鈴木京香、10年ぶりの幸福なテレビドラマ共演を振り返る
許されざる恋に陥り、もがきながら昭和を生きる詩人の姿を見つめた「連続ドラマW 荒地の恋」で、豊川悦司と鈴木京香がおよそ10年ぶりのテレビドラマ再共演。相思相愛の思いを実らせた2人が、幸せな撮影現場を振り返った。
本ドラマは、ねじめ正一による同名小説に出合った渡邊孝好監督が、詩人の北沢太郎役に豊川、ヒロイン・明子役に鈴木を想定して映像化を熱望した、数年越しの企画。「渡邊監督と京香さんという組み合わせに、すごく魅力を感じました。いつか『荒地の恋』を3人でやるんだ、との思いが僕の中に自然と沁みついていましたね」と語る豊川、「原作を読ませていただいて、豊川さんが太郎さん役ならわたしもやりたいと思いました」という鈴木にとっても、念願の再共演だ。
1970年代ルックで視聴者を魅了する鈴木は「監督が明子に、『赤』をイメージされたようですね。派手な衣装も楽しめましたし、“昭和の大人の女”という雰囲気の役ができてうれしかったです」と述懐。一方、豊川は「京香さんがいらっしゃると、現場の雰囲気がすごくよくなる。みんな口角を緩ませながら仕事をしていました。周囲を気持ちよくする何かを出されているんでしょうね。フェロモン? お色気?(笑)しかも『生まれる時代を間違えたのかな』というくらいに、あの時代が似合う。衣装を着替えて出てくるたびに、かっこいいなと思っていました」とベタ惚れぶりを明かした。
再共演ながら、長時間にわたってがっつり組むのは初めてという2人。もはや他の配役は考えられないほど、切なくも艶やかに大人の恋と葛藤を体現しているのは、渡邊監督の演出スタイルとも無縁ではない。「タイトなスケジュールのなか、俳優のアツい気持ちや初めて相手役の方と(芝居を)合わせた感触が、新鮮なうちにカメラを回してくれたのはすごくありがたかったです」との豊川の言葉に、鈴木も「現場の状況を見ながら、わたしたちの感情の盛り上がりを的確につかまえてくださいました」と続け、監督への厚い信頼をにじませた。(取材・文:柴田メグミ)
「連続ドラマW 荒地の恋」はWOWOWにて放送中(毎週土曜よる10:00~全5話・第1話無料放送)