上野樹里のおかげで確信が持てた…123人が演じる主人公との恋を紡いだハン・ヒョジュ
目覚めると外見が変わる主人公ウジンの恋を描いた韓国映画『ビューティー・インサイド』。ウジンが恋に落ちるヒロイン、イスを演じた女優のハン・ヒョジュがインタビューに応じ、ウジン役の一人である上野樹里のおかげで、123人が同一人物にふんするという本作の設定に確信が持てたと振り返った。
目覚めるたびに別の外見になってしまうウジンと、アンティーク家具専門店で働くイスの恋模様を活写した本作。外見と内面どちらが大切か? という『美女と野獣』のような普遍的なテーマを、現代を舞台に描きだした脚本が魅力的で、「本当に新鮮だと思いました。こういった物語は見たこともなかったですし、これからもなさそうだと感じたので是非参加したいと思いました。そして、毎日姿が変わる“ウジン”に会えるのも楽しみでした」とヒョジュも斬新な設定に魅せられたという。
ウジンを演じたのは、総勢123人。「最初は私も劇中のイスと同じように胸がときめいてワクワクしていました。今日はどんなウジンが来るのか、すごく期待していたんです」と新たな出会いに胸を弾ませたが、毎日変わる俳優を相手にラブストーリーを紡ぎ出すのは骨の折れる作業だった。「疲れてしまう時もありました。やはり初めてお会いする相手なので、慣れなかったり、ぎこちなかったり。でも、それは実際のイスが抱く感覚と同じ。そこに気付いてからは自然な気持ちで演じられました」。
ウジン役を演じた俳優陣の中で印象に残っている人物には、「今回は本当に大勢の素敵な格好良い俳優さんたちと共演させていただいたので、いつもこの質問に困ってしまうんです」と前置きしつつも、パク・ソジュンと上野樹里の名前を挙げた。パク・ソジュンはウジン役の中でも一番長く撮影を共にしたそうで、「イスが最初に愛する相手として出てきたのがパク・ソジュンさんだったので、どうしても記憶に残ります」と述懐。
そして、上野樹里との共演がヒョジュに一つの確信をもたらした。「映画全体の中でもとても大きな役割を果たしてくださったと思うんです。上野さんは外国人女性という設定のウジンを演じましたが、私が上野さんをウジンだと感じたら、きっと観客の皆さんもそう感じると思いました。上野さんと共演することで『女性であっても外国人であってもウジンは一人に見えるんだ』というウジン(の設定)に対する信頼の気持ちが生まれました。そうした信頼感を上野さんが与えてくださったんです」。
「華麗なる遺産」「トンイ」などの高視聴率ドラマを通して日本でも人気を集め、近年は『王になった男』をはじめ映画界を中心に活躍するヒョジュ。本作でも『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』に続き日本語を少し披露しているが、一緒に仕事をしてみたい日本の監督は? という問いにも「是枝裕和監督が最近好きになりました」と日本語で答えるなど、通訳を介さない場面も多数。時にはユーモアを交えつつ周囲を気遣いながら和やかに話す姿からは気品と器の大きさが伺え、「韓国以外の作品にも参加してみたい」という目標のため語学力を磨く姿勢にも女優としての意欲と気概が見えた。(編集部・吉田唯)
映画『ビューティー・インサイド』は2016年1月22日よりTOHOシネマズ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開