小出恵介、木村文乃とまさかの中学生役に「死ぬなら一緒」
俳優の小出恵介が6日、都内で行われた映画『十字架』初日舞台あいさつに木村文乃と共に出席し、本作で木村とともに中学時代を演じることになり、「死ぬなら一緒だ」と腹をくくったなどと当時の胸の内を語った。
直木賞作家・重松清の同名小説をもとにした本作は、中2の秋に起きたクラスメイト・フジシュンの自殺により、友人や両親たちがそれぞれに背負った十字架の重みに葛藤しながら歩んだ20年の心の軌跡を描いた物語。
フジシュンの遺書により親友にされてしまった真田祐役を務めた小出は、五十嵐匠監督たっての希望で中学生時代も演じることになるが、31歳の小出は「ハードルをもはや超えて……どうやっていいかわかんない」と苦笑い。ところが、木村も中学時代を演じることになり、「死ぬなら一緒だ」と覚悟を決めたという。その木村は「でも、わたし4つ下ですから」と年齢差をアピールするが、そうはいっても木村も28歳。小出は「女性も(中学生役は)ハードルが高いですから、スゲーなーと思った」と木村の女優魂を称賛した。
小出は、一般オーディションによって決定した中学生役の現役中学生たちと一緒にワークショップにも参加したそう。最初は俳優として接してくれた中学生たちだが、徐々に役にのめり込むと「怖いもので、どんどんズイズイ思った以上にきた」とか。しかし、貴重な体験となったようで、「普通の中学生の感性に触れられて、すごく思い出深いです」と笑顔を見せた。
この日は、富田靖子、小柴亮太、永瀬正敏、五十嵐監督も出席。木村は五十嵐監督の映画『アダン』でデビューしており、約10年ぶりにタッグを組んだ五十嵐監督を前に「一緒に舞台あいさつができることをすごく嬉しく思っています」と感無量の面持ち。その気持ちは五十嵐監督も同じで、「昔は“文乃”とか“アダン”とか呼んでいたけど、今は“木村文乃さん”と胸を張って言える」と木村の出世を誇らしく思っている様子。小出には、「(本作で描かれる)20年間を一人の役者で通すことが僕の中でのテーマ」だったことを明かし、「素晴らしい中学生役でした」と賛辞の言葉を贈った。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『十字架』は有楽町スバル座ほか全国公開中