スペインの鬼才監督「園子温監督に作品を観てほしかった」
スペイン映画界の鬼才カルロス・ベルムト監督が映画『マジカル・ガール』を引っさげ来日し、「大ファン」を公言し、同作を観てほしかったという園子温監督との対談を果たした。
1月に映画のプロモーションで来日したカルロス監督は、尊敬する監督に、「ペドロ・アルモドバル、クエンティン・タランティーノ、園子温」と名前を挙げるほど、園監督の大ファン。これまで海外の映画祭で園監督を見かけながら、なかなか声をかけることができなかったという。しかし今回、新作『マジカル・ガール』を観賞し気に入った園監督がカルロス監督の元へ急遽かけつけ、対談が実現した。
「会いたかったです!」と感激するカルロス監督に対して園監督は同作を「GREAT!」と絶賛。「スペインというと情熱的なものが多いが、この映画はすごく冷たい感じもあって、すごく理性的。今まで観てきたスペイン映画と全く違う。意外性の連続で、全然先が読めなかった。オリジナルな脚本も素晴らしかった!」と褒めたたえた。
その後も、憧れの監督に褒められて「夢のようだ」と喜んだカルロス監督が園監督の原点といわれる路上パフォーマンス集団「東京ガガガ」について質問したり、園監督がスペインのインディペンデント映画業界事情をカルロス監督に質問したりと、映画人同士の対談はおおいに盛り上がった。
第62回サンセバスチャン国際映画祭作品賞と監督賞を受賞した、カルロス監督の『マジカル・ガール』。日本のアニメ「魔法少女ユキコ」のコスチュームを着て踊ることを夢見るアリシアは、白血病で余命わずか。そんな娘の願いをかなえるため、父ルイスは失業中にもかかわらず高価なコスチュームを手に入れようと奔走する。しかし、彼の行動が心に闇を抱えている女性バルバラや、ワケありな元教師ダミアンを巻き込み、想像を絶する悲劇的な結末を迎える……。(編集部・海江田宗)
映画『マジカル・ガール』は3月12日よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA ほかで公開