変わりゆく世界の中で想い合う母と子…中国の巨匠ジャ・ジャンクー最新作!
『長江 哀歌』などで世界的に高い評価を受けている中国の名匠ジャ・ジャンクーが、変化していく中国社会を見つめた人間ドラマ『山河ノスタルジア』の予告編が公開され、急激に発展を遂げる中国の1999年、2014年、2025年と3つの時代を切り取り、変わりゆく世界の中で、想い合う母と子の絆を情感豊かに描いた本作の作風の一端が明らかになった。
世界三大映画祭すべてで受賞をはたしたジャンクー監督が、本作で描き出すのは、過去・現在・未来と変貌する世界に対して、時代を超えても変わらない、母が子を想う気持ちや、旧友との絆だ。その壮大な世界観が評価され、第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されている。
公開された予告編では、1999年、2014年、2025年と3つの時代で、25歳から50歳に至る女性・タオの半生を見事に演じ切ったチャオ・タオの演技を目にすることができるほか、時折映し出される中国の壮大な風景描写からはどことなく哀愁が漂う。また、3つの時代によってスクリーンサイズを変えている大胆な構成(1999年パートはスタンダードサイズ、2014年パートはアメリカン・ビスタサイズ、2025年パートはシネマスコープ・サイズ)や、大ヒットしたペット・ショップ・ボーイズの「Go West」が印象的に使われているなど、監督のこだわりを感じられる予告編となっている。
ジャンクー監督作『四川のうた』『罪の手ざわり』にも出演したタオを主演に、『ブッダ・マウンテン ~希望と祈りの旅』などのシルヴィア・チャン、『最愛の子』などのチャン・イーらが共演している。(編集部・石神恵美子)
映画『山河ノスタルジア』は4月23日よりBunkamura ル・シネマほか全国順次公開