LiLiCo、転機は「日本人になりすぎてつまんない」という言葉
映画コメンテーターのLiLiCoが22日に都内で行われたWOWOWのオリジナルドキュメンタリー「ノンフィクションW ハリウッドを救った歌声~史上最強のゴーストシンガーと呼ばれた女~」の試写会に登壇し、「LiLiCoって日本人になりすぎてつまんない」という言葉が自身のターニングポイントになったと語った。
【写真】ブラックのシックな衣装で登壇した板谷由夏&LiLiCo
『ウエスト・サイド物語』のナタリー・ウッド、『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘプバーン、『王様と私』のデボラ・カー。ミュージカル映画史上に燦然と輝く名曲の数々は、実は一人の女性によって吹き替えられていた。本作はその人物マーニ・ニクソンに密着取材を試み、彼女の“陰”の人生に迫るドキュメンタリー。
この日のイベントには同番組でナレーションを務める女優の板谷由夏も出席。ナレーションの仕事が大好きだという板谷は、「ゴーストシンガーの存在は知っていましたが、(マリリン・)モンローもヘプバーンもカーも、みんな同じ人がやっていたっていうのはびっくりしました」と率直な感想。LiLiCoは「(自分が歌ったと)言わなかったのが素晴らしい。今の女性なんてすぐ自分から言っちゃうから。昔は口堅かったもんね」と笑いを誘う。
さらに、マーニがコンテストの日にバイオリンを忘れ、歌を歌ったことをきっかけに歌手を志したエピソードに関連し、LiLiCoから「自分が変わったと感じた出来事」について問われた板谷は、「大杉漣さんに『板谷、あるがまま』って言われたんですよ。当時も今も意味がわからなくて、ずーっと私のテーマなんです」と女優としての転機を明かした。
一方、LiLiCoは「演歌歌手をやっていたとき、ものすごく厳しいマネージャーが『俺がこれが白い服といったら白い服なんだよ』って。どうみても黒い服じゃんて思っても。日本人になれ日本人になれって」とかつてはマネージャーの影響で日本人として振る舞うことを意識していたという。そんなある日、「LiLiCoって日本人になりすぎてつまんない」と言われたことがターニングポイントになったそうで、「それまでマネージャーの言うことを良いと思ってやっていたのに外国人の部分が消えていて個性も何にもない。だから少しずつ戻したんです。そしたらこんな野獣になってしまったんですね」と冗談を交えつつ、最後まで和やかなムードでトークを繰り広げた。(取材・文:タナカトシノリ)
WOWOWオリジナルドキュメンタリー「ノンフィクションW ハリウッドを救った歌声~史上最強のゴーストシンガーと呼ばれた女~」は2月27日午後1時より放送