「進め!電波少年」の危険な裏話!ドロンズ石本、コロンビアで4回襲われていた…
コロンビアに実在した伝説の麻薬王パブロ・エスコバルを、オスカー俳優のベニチオ・デル・トロが怪演する犯罪ドラマ『エスコバル/楽園の掟』の公開記念トークイベントが9日、都内で行われ、1997年にバラエティー番組「進め!電波少年」(日本テレビ系)の企画「南北アメリカ大陸横断ヒッチハイク」で、コロンビアに滞在経験のあるお笑い芸人のドロンズ石本が登壇し、当時を振り返り「放送ではカットされましたが、コロンビアを抜けるのが一番大変で、全部で4回襲われました!」と危険な裏話を披露した。
「(番組は)もう19年前なので、コロンビアってこうだったなと思い出しながら(本作を)観た」という石本。「ぼくらがヒッチハイクした首都ボゴタから西の港町カルタヘナへのルートは、コカインが世界に輸出される最大のルートだったんです。カルタヘナでは、それと知らず、船のヒッチハイクもしました。日本人は金持ちだと思われていたので、逃げても逃げても追いかけられて、何とかホテルに逃げ込んだり、ホテルの隣室に警察が踏み込んで、麻薬所持で捕まえるのもよく見ました」と恐怖の体験を明かした。
さらに石本は「コカの葉は日本の大葉みたいな感じで、普通に露店で売っていて、現地の人は高山病や酸素不足を防ぐため、漢方みたいに年中噛んでるんです。みんながくれるから、ぼくもコカの葉はずっと噛んでました。でも途中で、これがコカインの原料なのかって気づいた」と危険な告白も。
同席したラテンアメリカ情勢に詳しいジャーナリストの伊高浩昭氏は「コカの葉は、元々先住民が酸素不足を補うためや、栄養剤として噛んでいた。そこに化学薬品を加えると、麻薬のコカインになる。先住民には神の葉だったものを、悪魔の葉に変えたのがエスコバルだった」と解説。「麻薬は人間を破壊するから、誉められた話ではないが、貧困が固定した社会を、金の力で強引に変えようとしたのが彼。そこで民衆の人気も出たんです」と麻薬の背景に一筋縄でいかないコロンビアの社会事情があることを語った。
国会議員として様々な慈善事業に携わり、民衆に愛されながらも、裏では政府を相手にテロ活動を行い、1,000人もの殺人に関与した残忍非道な麻薬密売組織メデジン・カルテルの創設者であるエスコバル(1949~1993年)。本作は、そんな伝説の男の栄光と、その影に隠された苛烈な犯罪の実態をあぶり出す。(取材/岸田智)
映画『エスコバル/楽園の掟』は3月12日よりシネマサンシャイン池袋ほかにて全国順次公開