綾瀬はるか、女優開眼は大河「八重の桜」だった
女優の綾瀬はるかが、主演を務めるNHK放送90年大河ファンタジー「精霊の守り人」で自身が演じる役どころや、2013年に主演を務めた大河ドラマ「八重の桜」への出演で女優としての意識が変わったというエピソードを明かした。
上橋菜穂子の異世界ファンタジー「精霊の守り人」ほか「守り人」シリーズを基に描かれる本作。人と精霊が共生する世界を舞台に、女用心棒・バルサ(綾瀬)と、命を狙われる王子・チャグム(小林颯)が、追っ手や魔物と戦いながら旅に出る壮大な冒険を描く。放送期間は3年間で、全22回。シーズン1は19日から4週連続で放送される。
「原作のバルサは女らしさのない渇いた感じ、アニメ版ではセクシー系なんです。どちらも自分のイメージと違っていて、原作やアニメにとらわれない、ドラマならではのバルサを作らなきゃと思ったんです」と役づくりの苦労を語る一方、「バルサのファンはとても多いので『綾瀬さん? 違うでしょう』という声もあると思います」と屈託ない笑顔で語る綾瀬。見どころの一つであるアクションについては、「以前から、アクションを本格的にやりたかったので、バルサはぜひやりたいと思ったんです。でも実際にやってみると、本当にキツくて」と撮影を振り返る。筋トレや殺陣の稽古を積み、アクションシーンはほぼ吹き替えなし。短槍を手に男性陣とスピーディーな格闘を繰り広げる姿は圧巻だ。
綾瀬は「声のトーンや喋り方など、バルサがどんな人物か、最初は悩んだのですが……アクションシーンを撮っているうちに感情が入り獣みたいになりふり構わず挑んでいく感じ。『これがバルサだ』とつかめた気がした」とアクションに導かれ、吹っ切れたとも。少年のようなしぐさや低い声、傷や泥に汚れた顔など、綾瀬が見せる新しい一面も新鮮だ。「すり傷や、顔を汚したりするのは大好きなんです。でも日焼けした浅黒いメイクは汚れがガンコで、落とすのが大変。撮影中に白い服は絶対に着られない」と意外な苦労も語る。
「八重の桜」の主演から、再び挑む大役。綾瀬は「以前は、自分の役をちゃんとこなして、他の人に迷惑をかけないようにってことだけで、いっぱいいっぱいでした。でも『八重の桜』で、全員が平等に、より良くするためにどうするか真剣に意見を出していく現場を見て、モノを作るってこういうことだとわかったんです。『ああ、大河ってすごい』って、毎日感動していました。だから、また大河をやりたかった」と本作への意気込みを新たにする。シーズン2も撮影間近とのことで「今日からまた筋トレです」と明るく笑っていた。(取材/岸田智)
NHK放送90年大河ファンタジー「精霊の守り人」はNHK総合にて3月19日よる9時スタート(初回のみ73分)