有給が8週間だと!?マイケル・ムーアが世界中から“ジョーシキ”を略奪!
ドキュメンタリー映画『華氏911』などのマイケル・ムーア監督が世界“侵略”を目指す最新作『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』から予告編が公開され、アメリカ合衆国からの極秘ミッションを受けたムーア監督が、「年間の有給が8週間」(イタリア)など、フランス、ドイツ、ノルウェーをはじめとするヨーロッパ諸国の“ジョーシキ”に鋭く切り込む姿が披露された。
突撃取材と歯に衣着せぬ物言いで、銃規制、対テロ戦争、医療保障、資本主義などアメリカに巣食うタイムリーな問題を取り上げてきた、アメリカ政府の天敵ともいえるムーア監督だが、本作ではなんと、侵略戦争の芳しくない結果を受け悩む米国防総省の幹部から相談を受けてしまう。幹部らの切実な話を聞いたムーア監督は、国防総省に代わって自らが“侵略者”となり世界各国に出撃することを提案し、“ジョーシキ”を略奪するためにヨーロッパへ向かう。
予告編の冒頭では、アメリカから“侵略”任務に抜てきされたムーア監督が、星条旗を手に「U.S.A,Yeah!」と声を上げる姿が映し出される。ムーア監督が狙いを定めたのは9カ国。フランスでは小学校の給食に突撃し、おいしそうなフレンチがフルコースで振る舞われるという衝撃の“ジョーシキ”が明らかに。ムーア監督は「フレンチフライは?」とシェフに尋ねるも、「食べない」と一蹴されてしまう。さらに、「牢屋が一軒家」(ノルウェー)、「会社の昼休みが2時間で、年間の有給が8週間」(イタリア)など、信じがたい事実に驚くばかり。また、アイルランドの女性経営者からは「アメリカ人が非ジョーシキなだけ!」と断言されてしまう……。
『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)が第75回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に輝き、『華氏911』(2004)で第57回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したムーア監督。その後も、『シッコ』(2007)、『キャピタリズム マネーは踊る』(2009)と社会問題を提起し続ける彼が、本作での“侵略”で知り得た数々の新事実の先に何を見つめるのかが注目される。(編集部・高橋典子)
映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は5月27日全国公開