演技派トム・ヒドルストンが明かす伝説の歌手ハンク・ウィリアムズへの挑戦とは?
映画『アベンジャーズ』のロキ役でおなじみの英国人俳優トム・ヒドルストンが、話題作『アイ・ソー・ザ・ライト(原題) / I Saw the Light』について、3月25日(現地時間)ニューヨークで行われたアップルストアのイベントで語った。
本作は、米カントリー音楽の伝説の歌手ハンク・ウィリアムズさん(トム)の栄光と、その裏で酒とドラッグに依存していったさまを、妻オードリー(エリザベス・オルセン)との生活と音楽業界の人間関係を交錯させながら描いたもの。映画『ロボコップ』の製作者マーク・エイブラハムがメガホンを取った。
ハンクについての知識は「先日、ある人がハンクの曲『Hey, Good Lookin』は、『ハッピー・バースデー』の曲のように世界中どこに行っても、誰かが歌い始めたら、みんなが共に歌い出す曲だと言っていた。あの曲を最初に聴いたのはいつ頃か覚えていないが、ハンクの曲の中でもよく覚えていて、彼がアメリカの音楽を代表しているように思えた。子供の頃に鑑賞した(彼の曲が含まれた)アメリカ映画は、エキゾチックに感じられた。ハンクの曲が映画のサントラとして使用されたことは多く、泣くように奏でるスティール・ギターや、はっきりとしたトーンの歌は、本当にエキゾチックだった。彼は後に誕生した多くのミュージシャンに衝撃を与えてきた」と答えた。
なぜハンクは今でも評価されているのか、との質問に「彼の曲には真実味があるからだ。彼は人生の体験を歌っていて、恋に落ちることや恋が終わること、不倫や孤独、さらに浮気で妻に追い出され、犬小屋で寝るという内容などもあった。(当時)誰もがそれが彼の人生で、そういう生き方をしていると知っていた。彼は自分の知っていることをオープンに勇気や誠実さを持って歌っていた。そのうえ彼は、ステージ上ではしびれるような演奏をし、反抗的で、いたずらっぽく、おかしく、賢く、エネルギッシュでもあって、真のスターだった。だがプライベートではさまざまな苦悩を抱えていて、そんな彼のテンションが人々を魅了するのかもしれない」と彼なりの見解を語った。
ハンクを演じるうえでの準備は「ナッシュビルで尊敬されているカントリー歌手ロドニー・クロウェルの自宅裏にあるスタジオに5週間こもって、彼と共に毎日歌い、デモ曲を作り、さらにそれを聴いて、自分たちで批評もした。さらにジミー・リードなどのブルースも歌ったよ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)